2021年6月上旬・午後18:10頃・晴れ
里山の山腹にある小さな池Lは初夏になるとガマなどの抽水植物が繁茂するようになりました。
水深は浅く、緑の藻でひどく濁っています。
モリアオガエル♂(Rhacophorus arboreus)がひたすら鳴き続ける声が響くので辺りを探すと、ようやく鳴き声の主を見つけました。
夕方の薄暗い時間帯なので、手持ち夜景モードで動画撮影しました。
皮膚の質感がザラザラで、虹彩の色が赤茶色ですから、シュレーゲルアオガエルではなくモリアオガエルと分かります。
体は水に浸かっておらず、完全に上陸している状態です。
池の水面の方を向いて座っていました。
額になぜか白い泥のような汚れが付着しています。
白い喉の鳴嚢を大きく膨らませてカララ…カラララ…♪と乾いた声で鳴き、たまにクーワッカッカッカッカ…♪という鳴き方を交えます。
鳴く瞬間は口も鼻腔も閉じています。
鳴き終わると鼻腔が開いて鼻呼吸しています。
鳴く合間にも喉をヒクヒクと伸縮させ細かく震わせています。
近くにもう1匹同種の♂がいるようで(未発見)、互いに鳴き交わしていました。
それぞれの♂が岸辺で縄張りを宣言し、抱接相手の♀を呼び寄せているのです。
薄暗くても白い鳴嚢が膨らむとよく目立ちます。
鳴き声を頼りに集まって来る♀は、最後は♂の白い鳴嚢を目印にして近寄ってくるのではないかと想像したくなります。
最後モリアオガエル♂は岸辺から池の中に飛び込んだのですが、その瞬間を撮り損ねてしまいました。
せっかく♀を呼ぶために鳴いていたのに、結局この池にモリアオガエルの♀はやって来なかったようです。
後日に池Lを再訪してもモリアオガエルの泡巣は見当たりませんでした。
そもそも池Lの岸には産卵に適した(枝が水面に張り出した)灌木が全く生えていないのです。
(辛うじて生えているのはアカマツ幼木のみ)
抽水植物ガマの茎や葉に産卵するかと期待したのですが、そこにも泡巣は作られていませんでした。
繁殖池として適さない場所で♂がいくら鳴き続けても、♀は産卵に来てくれません。
ここを選んだ♂の判断ミスです。
モリアオガエル♂の鳴き声を声紋解析してみる?
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