イラガ幼虫の飼育記録:5
2012年10月下旬・室温21℃
イラガ(Monema flavescens)幼虫の繭作りを微速度撮影してみたものの、異常行動が目立つようになりました。
20倍速の早回し映像でご覧下さい。
初めは葉柄に繭を紡ぎ始めたのだが… |
初めはカキの葉柄に絹糸をかけ始めたのですが、いつまでたっても繭の形になりません。
途中から葉柄を離れて葉の方に進出し、右往左往。
新たな営繭場所を探索しているのでしょうか。
カキの葉は落葉する運命なので、葉柄の根元や枝に営繭しないといけません。
やがて徘徊を続ける幼虫が葉から落ちてしまいました。
慌てて掬い上げ、元の枝に戻して撮影続行。
翌日、繭が全く出来ないうちにシュウ酸カルシウムを分泌し始めた。 |
二日後、柿の葉を徘徊してはあちこちにシュウ酸カルシウムを塗りつけて回る。 |
翌日からは絹糸の繭が全く作られないのに硬化剤のシュウ酸カルシウムを分泌(排泄?)し始めました。
葉のあちこちに白い分泌物を塗りつけて回ります。
『繭ハンドブック』p82によると、イラガの
繭は糸で作られるが、幼虫はお尻からシュウ酸カルシウムの白い液を、口からはタンパク質を含む褐色の液を出し繭層に塗りつけ、これが繭の模様となる。繭は枝の分岐点に作られることが多い。
3日後には再び葉から落下。
3日後、柿の葉から幼虫が落下。 |
- 照明が眩しいせいとは考えにくい気がします。
- 幼虫の栄養状態が悪く、体内で絹糸の材料成分が不足しているのだろうか?(それなら営繭のスイッチが入ったのは何故か?)
- 食草として与えた柿の葉に残留農薬(殺虫剤)が含まれていたのだろうか?
- ただの突然変異個体?
- 体内に寄生されているための行動異常でしょうか。(その後、イラガ幼虫を密閉容器に隔離しても寄生蜂やヤドリバエなどが羽化してくることはなく、蛹化もせずにそのまま萎んで死亡。)
生き物を相手にすると一筋縄では行きません。
また再挑戦してみます。
シリーズ完
0 件のコメント:
コメントを投稿