何事かと思えば、コアシナガバチ(Polistes snelleni)のワーカー♀が獲物を求めて隣の葉を徘徊していました。
緑色の尺取虫は葉縁に腹脚だけで直立し、全身をピンと真っ直ぐに伸ばしています。
どうやら葉柄や小枝、蔓など周囲の植物に擬態しているようです。
風でブラブラ揺れているのもまたリアルですね。
見事な擬態が奏功し、天敵のコアシナガバチ♀は尺取虫の存在には気づかずに飛び去りました。
危機が去るとシャクトリムシは直ちに警戒を解くと尺取り運動で移動し、隣の葉の下に隠れました。
私が茂みを掻き分けて探すと、尺取虫は再び葉縁でまっすぐ伸びて静止していました。
近くを通りかかったアリ(種名不詳)も、尺取虫には気づいてないようです。
ただし、アリは視覚で獲物を探す生き物ではないので、触角で触れない限り尺取虫に気づかないでしょうし、擬態は通用しないはずです。
擬態を見破った私が尺取虫の頭部に指で触れると嫌がり、上半身をムチのように激しく振って抵抗(威嚇)しました。
つまり擬死状態とは違うようです。
それでも私がしつこく触れると、尺取虫は弾けるように葉縁から落ちて逃げのびました。
植物擬態だけでなく、二段構え、三段構えで天敵に備えていることが分かりました。
尺取虫の緊急避難を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
飼育するために採集しようかと考えていたのに、草むらで見失ってしまいました。
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