2019年5月中旬・午後12:03〜12:10
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ヒメハナバチの営巣地でホバリングする寄生アブ?との攻防【ハイスピード動画】
花から花粉を運んで営巣地(集団コロニー)に戻って来たヒメハナバチ科(またはコハナバチ科?)の一種♀aが地面を掘っている様子を240-fpsのハイスピード動画で撮影しています(画面中央下)。
そこへ別個体bが空荷で飛来するも、2匹は互いに無関心です。
その羽ばたきで地面に落ちていた虫の抜け殻が舞い上がりました。
次に大小2匹のクロアリ(種名不詳)ワーカー♀が通りかかりました。
小さい方のアリが穴掘り中のヒメハナバチ♀aに触角で触れました。(@0:37)
その途端に驚いたヒメハナバチ♀aが慌てて飛び立ちました。
まさにお邪魔虫。
すぐにまた花粉団子を後脚に付けたヒメハナバチ♀aが戻って来て、穴掘りを再開しました。
地面にあるはずの巣穴の位置を突き止められず、飛び立ちました。
辺りの様子を見回ってから(定位飛行)再び戻ってきて着陸、穴掘りを再開。
今度は花粉団子を付けた別個体♀cが飛来し、穴掘り中の♀aの傍に着地しようとしました。(@1:44)
すると巣口を見つけられない♀aは飛び去ってしまいました。
2匹は同種だと思うのですが、若干の体格差があるようです。
後から来た♀cの方が帰巣能力が優秀で、遂に巣口を探り当てて中に入りました。(@2:05〜2:45)
小石(砂粒)を少し横に掻き分けてその下を掘ったら小さな巣口が現れたのです。
まるで「開けゴマ!」と呪文を唱えたようです。
入巣と同時に小石が自然に転がって巣口を塞ぎました。(@2:46)
自動扉による戸締まりで防犯対策は万全です。
素人目にはもう巣口がどこにあったのか分からなくなってしまいました。
続けてもう一匹の♀が採餌場から花粉団子を運んで来ました。(@2:54)
さっき逃げた♀aかもしれません。
営巣地に着陸すると巣口を探して試掘を始めます。
しかし微妙に違う場所を探しています。
空荷の別個体が画面下から飛来するも、互いに無関心で通り過ぎました。(@3:30)
空荷の個体が雄蜂♂なのか同種の♀なのか、それとも別種の蜂なのか、私には分かりません。
労働寄生性ハナバチの可能性もありそうです。(※ 追記参照)
徘徊中のクロアリ(種名不詳)のワーカー♀が巣口を偶然に見つけてしまいました。(@4:00)
蟻は目がほとんど見えませんから、匂いでヒメハナバチの巣穴を嗅ぎ当てたのでしょう。
頭を突っ込んで侵入を試みるも、諦めました。
巣の中から門衛に撃退されたのかな?
横で地面を試掘中の♀a+花粉団子とアリがニアミスし、ヒメハナバチ♀aが少し飛び上がってアリを営巣地から追い払いました。
再び着陸した♀aは必死で巣口を探しますが、依然として見つけられません。
すぐ近くにあるのに、見ている私ももどかしいです。
実はこの辺りは多数の巣穴が開いている集団コロニーらしく、どの巣に注目して撮影しようかと目移りするほどでした。
巣口が常に開きっぱなしの巣もあり、それが普通なのかもしれません。(映像なし)
今回撮影した巣口が小石で塞がれてしまって迷子を生み出しているのは事故みたいなもので、アリやヒトが営巣地を徘徊して踏み荒らしたせいなのかな?
それとも蜂が巣から外出する際に戸締まりする習性があるのでしょうか?
迷子になっている個体は外出経験が浅いのか、それとも馬鹿なのかな?
登場したクロアリは普通種のクロヤマアリかクロオオアリだと思うのですが、しっかり確かめていません。
つづく→ヒメハナバチ♀複数個体が同じ巣に出入り、出巣の定位飛行
※【追記】
北海道大学のキャンパスでホクダイコハナバチの生態を解明した坂上昭一『ハチの家族と社会:カースト社会の母と娘』という中公新書の名著を読み直すと、「寄生者たち」と題した章が設けられていました。
労働寄生性のコハナバチ、エサキヤドリコハナバチの飛来である。ホクダイとほぼ同大、漆黒で腹の前半が鮮紅色のハチだ。地表すれすれにとびまわりつつ巣を探し、持ち主がいないと侵入し、持ち主の労苦の成果を横取りする。 (p30より引用)
しかし腹部が赤い蜂を私は見ていません。
『日本産ハナバチ図鑑』を紐解くと、ヤドリコハナバチ属は多数の種が知られていて、腹部の前半が赤いのは♀で、♂は全身が黒い種類もいるようです。
とりあえず、私が見ているハチがヒメハナバチ科なのかコハナバチ科なのか、確かめることが先決ですね。
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