2014年5月下旬
細い山道の脇に生えたカエデ(イロハモミジ?)の灌木でイタヤハマキチョッキリ(Byctiscus (Byctiscus) venustus)の揺籃作りを観察しました。
昨年の経験が活きました。
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モミジの葉で揺籃を作るイタヤハマキチョッキリ♀
初めは木の周囲を飛び回る個体に注目し、カエデの葉に着陸したところで撮り始めました。
前胸下部に鋭い棘状の突起があるので♂と判ります。
交尾相手の♀を探しているのでしょう。
ここで、作りかけの揺籃が近くにあることに私も気づきました。
揺籃の隣にある葉の葉柄が、噛み傷のところで折れました。(@1:13)
その勢いで枝を歩いていた♂が転落。
♀による揺籃作りはもう後半のようで、モミジの青葉を巻きつけています。
♂が辺りを飛び回り、揺籃上で♀を見つけると交尾を始めました。
接写すると体長は♂>♀であることが珍しく思いました。
イタヤハマキチョッキリの♂は前胸下部に鋭い棘状の突起があり、口吻は♀よりも長くて湾曲している。(『オトシブミハンドブック』p50より)小さな甲虫ですけど、金属光沢の構造色が美しいですね。
昨年は風が吹く日で接写に難儀しましたが、今回はほぼ無風で助かりました。
♂がマウントして交尾器を結合している間も♀は黙々と葉を巻く作業を続けます。
♀が揺籃の上から葉を噛んで糊付けしているようです。(@2:50-3:05)
♀は葉柄に移動すると、噛んで傷を付けています。
手前のタニウツギの枝が撮影の邪魔だったのでナイフで切り落としたら、その衝撃に驚いてペアが擬死状態になりました。(@4:52〜)
♂は♀の背にしがみ付いていた脚が外れかけており、なんとか交尾器だけで連結しています。
やがて目覚めた♂が♀にしがみつくと、♀も活動を再開。
♂を背負ったまま♀は葉柄を登り下りしています。
やがて交尾器の結合が外れました。(@5:50〜)
それでもしばらくは♂はマウントしたままで、ライバル♂に♀を奪われないように配偶者ガードを続けます(交尾後ガード)。
いつの間にか交尾を終えて♀♂ペアが別れていました。(@7:59)
マウント解除した♂は、近くでのんびり身繕い(脚を擦り合わせている)。
♀はひたすらに揺籃にモミジの葉を巻き付ける作業を続けています。
♂がしつこい交尾後ガードを行わず、意外と淡白であっさりと別れたことに少し驚きました。
このとき既に揺籃作りの後半で、♀が産卵を終えているからでしょうか?
素人考えでは、もし産卵前ならもっと激しく(長時間)♀をガードするのではないかと推測しました。
次は引きの絵で全体像を撮りながら微速度撮影で揺籃作りを記録してみます。(つづく)
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