クロアゲハの飼育記録:その11
2012年8月上旬・室温29℃
蛹化から11日後、遂に成虫の羽化が始まりました。
飼育本によるとアゲハチョウの蛹の期間は10~15日らしいので、連日の猛暑で蛹内の発生(変態)が少し早まったのかもしれません。
どうやら寄生は免れたようで一安心。
羽化の前兆
- 蛹がときどき自発的にピクピクと蠕動する。
- 蛹を透かして翅の黒色が見えていたのが、羽化直前になると蛹に空気が入り白っぽくなる。
- 蛹頭部の角の内部が白く透けてきて、成虫の黒い頭部が見える。
羽化当日@帯蛹(側面) |
羽化直前@帯蛹(側面) |
羽化直前@帯蛹(背面) |
羽化直前@帯蛹(腹面) |
ところが一瞬目を離した隙に蛹が破れ、羽化開始の瞬間だけ撮り損ねてしまいました…。
みるみる翅が伸びる様子を10倍速の早回し映像でご覧下さい。
しばらくすると、トラブル発生!
右後翅が羽化殻に引っかかり、真っ直ぐに伸ばせないでいます。
クシャクシャのままで固まり、羽化不全の個体になりそうです。
蝶も自覚があるのか落ち着かず、頻りに枝の上へ登ろうとしています。
そこで急遽、新しい止り木として太い木の棒を蝶の目の前に差し出してやりました。
クロアゲハはこれに気づいて登り始めました。
(意外にも羽に感覚器官があるようで、尾状突起など羽に触れると嫌がって上に登ってくれます。)これで無事にのびのびと羽を伸ばせるはずです。
左右二本に別れていた口吻をくるくると曲げ伸ばししながら結合して物が吸えるようになりました。
余分な羽化液の排泄※に備えて、止り木の下にトイレットペーパーを予め敷いておきました。
ところがなぜか全く排便しませんでした。
連日の猛暑で部屋が暑くて乾燥気味だったのかな?
しばらく休んで翅が固まると、自発的に羽ばたいて窓際のレースカーテンへ飛んで移動しました。
後翅の前縁に白色帯が無いので♀と判明。
羽化直後(翅裏) |
開張採寸 |
その日のうちに窓から放蝶してやりました。
飛行に問題無く、元気に飛び去りました(映像なし)。
残された羽化殻を記念に残しておきます(抜け殻コレクション)。
シリーズ完。
※ 【追記】
藤丸篤夫『アゲハチョウ観察事典』を読んでいて気になる記述を見つけました。
(ナミアゲハの飼育経験は未だありません)
今後はこの点に注意して飼育観察してみます。
※ 【追記】
藤丸篤夫『アゲハチョウ観察事典』を読んでいて気になる記述を見つけました。
サナギからでてきたアゲハ(ナミアゲハ)は、完全にぬけだすまえに、殻のなかに排せつをします。それから近くの枝などにとまり、すぐに羽をのばしはじめます。 羽は10分ほどでのびますが、ちゃんと飛べるようになるまでには、さらに時間がかかります。そのあいだに、まだおなかに残っているよぶんな水分を排せつして、羽がかわくのをまちます。 (p24より引用)ナミアゲハに特有の行動なのか個体差なのか分かりませんが、私は今まで数種類のアゲハチョウ科を飼育してきて蛹の羽化殻内に糞を見たことがありません。(見逃した?)
(ナミアゲハの飼育経験は未だありません)
今後はこの点に注意して飼育観察してみます。
羽化殻(腹面) |
羽化殻(側面) |
羽化殻(背面) |
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