2023年11月上旬・午後15:45頃・晴れ
大型の個体だったので、ワーカー♀ではなく新女王かもしれません。
現場は平地なのに、山地性のオオマルハナバチが訪花していたのは不思議です。
(平地性のクロマルハナバチの姿をなぜか見かけませんでした。)
後脚の花粉籠は空荷でした。
240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:58〜)
スローモーションで吸蜜シーンをよく見ると、オオマルハナバチ♀は盗蜜を繰り返していました。
花弁の内側の奥には黄色い蜜標があるのに、オオマルハナバチ♀はそこを目掛けて潜り込む正当訪花をしていません。
いつも花弁の外側に下向き(または横向き)で止まると、舌(口吻)を伸ばして花の根元にある小さな膨らみ(距)に差し込んでいます。
ホトトギスの花の構造上、オオマルハナバチ♀は花弁に穿孔するまでもなく、盗蜜できてしまいます。
ホトトギスの花のように、小さな瘤状の距もあるとは知りませんでした。
オオマルハナバチ♀は訪花吸蜜の際にホトトギスの雄しべや雌しべに一度も触れないので、授粉には全く関与していません。
オオマルハナバチ♀の体毛にホトトギスの花粉が付着することはありませんし、後脚の花粉籠が空荷なのも当然です。
ホトトギスにとっては花蜜の盗まれ損になります。
オオマルハナバチ♀が花粉を集めたくても、雄しべの葯から花粉が既に取り尽くされた後のようです。
調べてみると、ホトトギスの花は雄性先熟なのだそうです。
撮影時は雌性期だから雄しべに花粉が無いのでしょう。
今回はホトトギスに訪花する様々な昆虫を観察することができたのですが、どの昆虫も同様に盗蜜していました。(映像公開予定)
植物が花に距を作って送粉者を選り好みしようとすると、必ずその裏をかいて盗蜜行動をする昆虫が出てくるのが、進化の軍拡競争になっていて面白いです。
ホトトギスに正当訪花する送粉者は誰なのでしょう?
【参考サイト】
雄性期の花の様子も含めて、ホトトギスの花の細かい構造を解説した写真や、トラマルハナバチが正当訪花する写真が掲載されていて、勉強になりました。
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