これまでホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が通う河畔林の溜め糞場rvをトレイルカメラで長期間の定点観察をしてきました。
しかし、どうもメインの溜め糞場として使われていないようで、タヌキの登場(排便)頻度が低いです。
雪が積もったので、雪面に残るタヌキの足跡を辿ってみることにしました。
すると、川沿いを下流に数百m移動した地点でニセアカシア大木の根本に新たな溜め糞場bLを発見。
雪面の足跡を追跡できるのが雪国の強みです。
新鮮な糞が残されていたので、早速トレイルカメラを設置し直して、溜め糞場bLを見張ることにしました。
カメラを設置した日の夜から大雪が降り、レンズの直前に雪塊が積もったせいで、監視カメラの視界が遮られてしまいました。
その隙間から辛うじてタヌキらしき姿が何度か写ったのですが、どうもはっきりしません。(映像公開予定?)
2023年1月中旬
シーン1:1/12・午前0:06・気温0℃・(@0:00〜)
レンズの手前に積もった雪塊がようやく溶け落ちて、ようやくクリアな暗視映像が撮れました。
深夜に右から(下流側から)来たタヌキが溜め糞場bLの手前で左折し、画面の右下に消えました。
まさかトレイルカメラの赤外線照射エリアを警戒して迂回したのかな?
新雪にタヌキの足跡が残ります。
シーン2:1/13・午前2:21・気温-4℃・(@0:07〜)
翌日も深夜にタヌキが登場。
前回と同じコースで通り過ぎたタヌキがちらっと写っただけです。
画面が少し曇っているのはレンズに霜が降りたのでしょうか。
シーン3:1/13・午前5:54・気温-4℃・(@0:13〜)
約3.5時間後の未明にタヌキが再登場。
同一個体が戻って来たのか、別個体のタヌキなのか、不明です。
小雨がしとしと降っていて、全身の毛皮が濡れています。
画面の上から(西から)溜め糞場bLに来ると、頭を左に向けて(南向き:上流向き)排便しました。
タヌキが西に立ち去ると、雪面に新鮮な固形糞が少量残されていました。
シーン4:1/13・午後13:17・気温13℃・(@0:49〜)
同日の昼過ぎの状況です。
寒暖差が激しく、晴れると13℃まで気温が上昇しました。
雪面からの照り返しが眩しいです。
林床の雪原に河畔林(落葉樹ニセアカシア)の影が落ちています。
7.5時間前に排泄されたばかりのタヌキの糞は、雪の中に少し沈下していました。
排便直後は体温(直腸温)の予熱でホカホカと温かい上に、晴れた日中は黒っぽい糞が太陽熱で温められるために、雪を溶かしながら沈んでいくのです。
これで厳冬期にホンドタヌキが排便に通っているという証拠映像が得られました。
しかし驚いたことに、この溜め糞場bLはホンドテンも共有していることが分かりました。
糞便臭による匂い付けで互いに張り合っているのでしょうか?(縄張り争い?)
関連記事(同所同時期の撮影)▶ ニセアカシア真下の雪深い溜め糞場で排便する冬毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】
つづく→
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