2022年10月中旬・午前11:10頃・くもり
里山の杉林道に残された溜め糞場sを長期に渡って定点観察しています。
秋になるとスギの落ち葉の下から白いキノコが疎らに生えてくることに去年(2021年)から気づいていました。
私はキノコについて全くの勉強不足で敬遠していたのですが、今年は一念発起して名前を調べてみることにしました。
キノコの中には動物の排泄物(糞尿)の周囲から特異的に生えてくる種類(アンモニア菌など)が居るらしく、てっきりその一種だと思い込んでいました。
溜め糞場をめぐる複雑な生態系の重要な一員であるとすれば、面白いストーリーになりそうです。
参考図書:相良直彦『きのこと動物:森の生命連鎖と排泄物・死体のゆくえ』
林道に敷き詰められたスギの落ち葉の隙間から点々と生えている白い子実体を1本ずつ採集してみると、易々と引き抜けました。
白くて薄い傘や茶色の柄を手で裂いてみると、かんたんに裂けました。
調べてみると、アンモニア菌ではなくスギエダタケというキノコでした。
スギエダタケは毒キノコではなく食べられるそうなのですが、私は試食したことがありません。
動画の冒頭に写っていたように、スギエダタケ子実体の傘が何者かによって食害を受けていました。
キノコ食(菌食性)の昆虫または野ネズミの仕業ではないかと予想しています。
ヤマケイポケットガイド15『きのこ』でスギエダタケについて調べると、
傘は透明感が高く、滑らか。粘性はない。スギ以外の針葉樹の落枝からも発生する。 地面に落ちたスギの枝から生える白いきのこで、きのこの少ないスギ林では貴重な存在。小さいが材の分解力が強く、森の掃除屋といったところ。傘は陽の光が透けそうなほど透明感があり、表に細かい毛が密生している。柄は橙黄褐色でやはり微毛が生えている。 発生時期: 晩秋〜初冬 傘径: 1〜5cm 傘の裏: ひだは白色、上生〜難生、やや密〜やや疎。胞子紋は白色。 柄の高さ: 3〜7cm 可食奥が深いキノコの世界も、ひとつひとつ地道に名前を覚えるしかありません。
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