2021年5月上旬・午後15:15頃・晴れ
山麓に広がるリンゴ園では春に花の授粉が終わると、大切な果実を鳥害から守るために果樹全体を巨大な網で覆ってしまいます。
その網を掛ける骨組の天辺にヒヨドリ(Hypsipetes amaurotis)を見つけました。
ハウスの骨組からときどき飛び上がってはまた舞い戻るという奇妙な動きを繰り返していたので、求愛飛翔なのか?と訝しく思って動画を撮り始めました。
しかしカメラでズームインしてみると、多数の小さな昆虫がリンゴ果樹の周囲を高速で飛び回っていました。
満開に咲いたリンゴの花で採餌するためハナバチ類が集まっているのです。
(その多くは雄蜂♂の探雌飛翔と思われます。)
空をキョロキョロと見ていたヒヨドリは、ハウスの骨組から飛び上がり、空中で獲物を捕らえようと奮闘していました。
しかし晴れて気温の高い午後は、蜂の動きがあまりにも活発です。
ヒヨドリはフライングキャッチを何度試みても、蜂を取り逃がしているようでした。
後半は1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 (@1:12〜)
ヒヨドリは果実食ですから、果樹園農家にとっては憎い害鳥です。
ハナバチ類は春に果樹の授粉を助けてくれる益虫なのに、ヒヨドリに捕食されてしまうとなると、より一層嫌われても仕方ありません。
しかし蜂の巣箱を襲ったりしない限り、鳥がハナバチを全滅させるようなことは無いでしょう。
今回の観察では、ヒヨドリが蜂を捕食する効率は低いようです。
あいにく強い逆光のアングルになってしまい、ヒヨドリのシルエットしか見えません。
できれば順光のアングルに移動して、もっと引きの絵で撮りたかったのですが、私の背後は住宅地になっていて、これ以上後ろに下がれませんでした。
そのうちヒヨドリは狩場を変更してしまい(リンゴ園の奥にあるハウス骨組に移動)、撮れなくなりました。
逆光など悪条件であっても、撮れるときにはとりあえず証拠映像を記録しておくことが大切です。
※ 動画編集時に逆光補正を施しています。
冒頭でリンゴの花がやや白飛びして見えるのは、その副作用です。
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