2015年8月上旬
郊外の住宅地の電線で3羽のキジバト(Streptopelia orientalis)が交尾していました。
カメラの起動トラブルで貴重な時間をロスしましたが、望遠レンズを向ける度に何度か逃げて場所を変えました。
3羽の行動を見ていると、どうやら♂2♀1の組み合わせのようです。
♀が逃げ回る度に♂が追いかけ、何度も場所を変えて交尾を試みています。
♂同士がまず戦って決着を付けてから♀と交尾するのかと思いきや、ライバル♂を追い払ったりしないのが不思議です。
あるいは既に♂の順位が決まっていて、劣位の♂が未練がましくつきまとっているのでしょうか?
それともキジバトは乱婚制で、2羽の♂が代わる代わる♀と交尾しているのかな?
少し遠いためか、鳴き声は聞こえませんでした。
次回は求愛行動の詳細をじっくり観察してみたいものです。
『しぜんのせかい11:きじばと』によると、
・キジバトの求愛は、♀のそばで♂がクークー鳴くクーイングの後、♂の嘴の中に♀が嘴を入れるビリングを行います。キジバトの繁殖期は4月から6月までが普通ですが、10月ぐらいまで巣作りするものもいます。(p14-15)
・姿や大きさでキジバトの♂と♀を見分けることはできません。若鳥は目が褐色なので成鳥と区別がつきます。(p6)
wikipedia情報によれば、キジバトの体色は雌雄同色で、繁殖期はほぼ周年らしい。
【追記】
『スズメの少子化、カラスのいじめ:身近な鳥の不思議な世界』p142によると、キジバトの襟の部分にある縞模様があれば成鳥で、無ければ幼鳥。
英語の慣用句でa pair of turtledoves は仲睦まじいカップルの意味らしく、実際にキジバトは年中2羽でいることが多い。
【追記2】
高木清和『フィールドのための野鳥図鑑:野山の鳥』でキジバトを参照すると、
求愛行動は、パタパタと舞い上がり、翼を広げて滑空飛翔をする。♂は♀の側で頭を上下に振ってクゥクゥ、プンと鳴いたりする。(p34より引用)
【追記3】
保育社『原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>』でキジバトの項を参照すると、
♂の♀に対する求愛行動は、♂が何回も飛翔ディスプレイをした後で、♀が止まっている枝の上や♀の近くに止まり、枝上でウグッ、ウグッと鳴きつつ行なわれる。喉を膨らませて、おじぎのような動きをしながら、♀のほうへ歩いたり♀の前で回ったりする。(p91より引用)どうやら私は、交尾に先立つ求愛の飛翔ディスプレイを見逃してしまったようです。
【追記4】
『山渓ハンディ図鑑:新版 日本の野鳥』でキジバトを参照すると、
・♂は♀におじぎをするように動作しながら「クークックークッ」と鳴いて求愛する。その他、「プン」と小さな声を出す。・虹彩は橙色。目のまわりは裸出して赤い部分があり、繁殖のときには、この赤い部分が大きくなる。 (p104より引用)
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