2024年6月下旬・午後13:30頃・くもり
私が里山の林道を登っていると、三叉路に近い地点の轍 にジムグリ(Elaphe conspicillata)が横たわっていました。
周囲はスギと雑木の混交林だったと記憶しています。
ジムグリの背面は地味な焦げ茶色で、スギなどの落葉落枝が散乱する地面に対して保護色になっています。
体が波打ったり途中でぐるっと巻いていたりと、複雑な体勢のまま静止しています。
私が恐る恐る小枝でつついても動かず、死んでいました。
素人目には死骸に目立った外傷はなく、死因が不明です。
死骸を好むハエやシデムシなどが未だほとんど集まって来ていないということは、新鮮な死骸のようです。
15cm定規を死骸の横に並べて置いて採寸しました。
横着せずに死骸をまっすぐ伸ばした状態で、巻き尺で体長を採寸すべきでしたね。
その定規でヘビに触れても持ち上げても無反応でした。
やはりジムグリは死んでいるようです。
死後硬直はなく、持ち上げるとぐったりしていました。
(ジムグリは)危険を感じると総排出口から独特の青臭い臭いを出す[4]。(wikipediaより引用)らしいのですが、私の鼻では無臭でした。
苦労して死骸をひっくり返すと、腹面にも外傷は認められませんでした。
腹面の鱗にはジムグリに特有の赤と黒の市松模様がありました。
よく観察すると、市松模様があるのは腹板だけで、総排泄孔から下の尾下板にはありませんでした。
派手な市松模様は捕食者に対する警告色として進化したのでしょうか?
しかしジムグリは毒を持ちませんし、絶体絶命の際にわざわざ腹面を無防備に見せるのか疑問です。
体軸に沿ってパンした接写映像から腹板を丹念に数えられそうだったのに、とぐろを巻いている部分の腹板が隠れているのが残念です。
やはり真っ直ぐに伸ばした状態で撮影すべきでしたね。
このとき私は手袋を持ってきておらず、素手で死骸に触れたくなかったのです。
ヘビの中には、危険が迫ると擬死行動(死んだふり)をする種類がいます。
(ジムグリの)腹板は雄が200-219枚、雌は206-227枚[6]。尾下板、雄に63-76枚、雌が59-72枚[6]。 (wikipediaより引用)
ジムグリも擬死するかどうか気になり、Perplexity AIに問い合わせたのですが、擬死するという自信たっぷりの回答には裏付けがありませんでした。
同じ質問を各社AI(gemini, perplexity, ChatGPT)に投げかけて回答を比較したところ、どれもなぜか頑固なハルシネーションを示しました。
関連記事(8年前の撮影)▶ ジムグリの幼蛇を見つけた!
私にとってジムグリは幻のヘビで、なかなか見つけられません。
今回は珍しく新鮮な死骸だったので、解剖したり骨格標本を作ったりと有効活用できそうです。
しかしこの時期私は他のプロジェクトが忙しすぎて余裕がなく、死骸を持ち帰りませんでした。
(死骸専用の大型冷凍庫があれば、長期保存ができるのですけど…。)
後で思ったのですが、タヌキなどスカベンジャーが通る獣道にヘビの死骸を置き直して、屍肉を食べたり持ち去ったりするかどうかトレイルカメラで監視するのも面白そうです。
それなら最初にセッティングだけすれば、後は無人カメラが自動で記録してくれるので、お手軽な自由研究です。
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