2022年8月中旬・午後12:10頃・くもり
里山の尾根道から外れ、廃道状態の細い山道を辿って斜面を下り始めてすぐの地点に、ホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が残したと思われる溜め糞場kを前年から見つけています。
ヒトが使わなくなって藪に覆われた廃道も、獣道として今も使われているようです。
周囲は若い二次林で、薄暗い林床の山道にはノギランが点在しています。
糞塊の真下で糞虫が活発に活動しているらしく、糞塊が上下にゆっくり動いています。
糞虫が処理した後の地面には丸い穴がいくつも開いており、おそらくセンチコガネ類の巣穴だろうと考えています。(発掘調査は今後の課題)
新鮮な糞塊にはメタリックグリーンに輝くキンバエ(Lucilia caesar)の仲間が群がっていました。
ここに比較的新しい糞が残されているのは珍しいので、立ち止まって観察していると、大事件が起こりました。
(映像はここから。)
アカバトガリオオズハネカクシ(旧名アカバハネカクシ;Platydracus brevicornis)が早足で溜め糞場から離れて行きます。
その大顎にキンバエの一種を咥えていました。
溜め糞場で待ち伏せしていた肉食性のアカバトガリオオズハネカクシが獲物を仕留める瞬間を、残念ながら撮り損ねてしまいました。
これまでハエなど食糞性の昆虫に襲いかかっても狩りに失敗するシーンばかり見てきたので、まさか敏捷なハエ成虫の狩りに成功するとは驚きでした。
仲間が襲われて必死に暴れているのに、他のキンバエ2匹は近くの糞上に留まって吸汁を続けています。
襲われた直後は激しく暴れていたのに、胸部を横から噛み付かれたキンバエはすぐにおとなしくなりました。
毒液を注入されたのかな?
獲物を咥えたハネカクシは林床を走り回り、落葉の下に隠れました。
肉食性ハネカクシ類の生態について私は疎いのですが、獲物を自分の巣穴に搬入する(貯食)という習性は聞いたことがありません。
おそらくライバルに獲物を横取り(強奪)されないように、安全な隠れ家に運んでからゆっくりと捕食するのでしょう。
糞食性の昆虫を目当てに溜め糞場に来て捕食する野鳥も居るので、私に対して警戒していたのかもしれません。
あるいは、♂から♀へのプレゼント(求愛給餌)だとしたら面白いのですが、落ち葉の下に隠れたアカバトガリオオズハネカクシの様子はほとんど見えません。
撮影アングルを確保しようと私が下手に動くと落ち葉を踏んでガサガサと音を立ててしまい、警戒したハネカクシに逃げられてしまいます。
この地点にもトレイルカメラを仕込んで、本当にタヌキの溜め糞かどうか確認したいところですが、台数が足りなくて後回しになっています。
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