2022年8月上旬・午前7:20頃・晴れ
河川敷の舗装された遊歩道で、嘴の根元が未だ黄色いスズメ(Passer montanus)の幼鳥を見つけました。
親鳥が巣外給餌に来るのを待っているようです。
スズメ幼鳥は好奇心旺盛で、路上に居た褐色のバッタの周囲をうろついています。
少し遠くてよく見えませんがが、なんとなくクルマバッタモドキ(Oedaleus infernalis)ですかね?
バッタは捕食者に狩られまいと長い(棘だらけの?)後脚を持ち上げて誇示し、回り込もうとするスズメに正対しています。
さっさと飛んで(跳んで)逃げないということは、このバッタは未だ翅が無い幼虫かもしれません。
翼を持った鳥相手に逃げるのは得策ではなく、踏み留まって威嚇するのが正解なのかもしれません。
スズメ幼鳥は、なぜかせっかく見つけた獲物を捕食せずにピョンピョン跳んで離れて行きました。
バッタの強力な後脚で蹴られることを恐れたのか、バッタの狩り方(対処法)を学んでないのでしょう。
スズメ成鳥なら、クルマバッタモドキをあっさり捕食できたような気がします。
撮影直後にスズメ幼鳥は飛び立つと、横にある河畔林のニセアカシア樹上へ移動しました。
今思えば、現場に急行してバッタの種類を確かめるべきでしたね。
先を急ぐ用事が合ったので、スルーしてしまいました。
【追記】
西田隆義『天敵なんてこわくない―虫たちの生き残り戦略』を読むと、バッタの捕食回避策を実験で調べた話が書いてありました。
カエルの口にくわえられるとトビヒシバッタは硬直して妙な姿勢をとることが分かった。後ろ足を腹側に垂直に曲げて硬直するのだ。いわゆる死にまねだ。この姿勢をとると、硬く細長い前胸背板、胸の棘、後ろ脚がそれぞれ三次元に垂直に突き出すことになる。これを飲み込むのはいかにもたいへんそうだった。(p129より引用)
トビヒシバッタと私が今回観察したクルマバッタモドキは種類が全く違いますが、後脚を持ち上げて誇示した姿勢は捕食者に食べられにくくする働きがありそうです。
しかし、カエルと違ってスズメは嘴を使って食べにくいバッタの後脚などを毟り取ることが可能です。
本の筆者もイナゴの佃煮を試食した経験から同じ推論に至ります。
私がなるほどと思ったのは、後ろ脚が食べるのにじゃまになることだった。飲みこむときに後ろ脚がのどにひっかかって飲みこみにくいのだ。おまけに後ろ脚のすねにあたる部分にはやすりのような棘がびっしりとあり、これがのどをいがいがにするのだった。(p151より引用)逆に、
(後脚を)自切することにより、イナゴは鳥の捕食をうまく逃れていた。(p152より引用)
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