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ミズナラの葉を蚕食するイラガ(蛾)幼虫【60倍速映像】
イラガ(蛾)の飼育記録#2016-4
2016年9月中旬〜下旬
イラガ(Monema flavescens)の幼虫は英語でslug caterpillarと呼ばれるらしく、確かに動き方がナメクジのようです。
まずは側面から接写してみます。
腹脚が退化していて、腹面全体の粘着力を使った蠕動により前進しています。
胸脚も小さく、痕跡程度しかありません。
次は透明プラスチックの飼育容器越しに腹面を接写してみました。
内臓器官が透けて見えます。
その中でも白い顆粒の連なりが目に付きます。
これは何でしょう?
解剖して調べた訳ではありませんが、終齢幼虫だとすれば、繭作りに備えて発達した絹糸腺あるいはシュウ酸カルシウムを貯めこんだマルピーギ管なのかな?
若齢の時期から発達段階を追って腹面の内臓を観察するのも面白いかもしれません。
やがて幼虫は徘徊運動を始めました。
腹面全体が波打ち、前進します。
カタツムリやナメクジとは異なり、這った後に粘液は付いていないようです。
【参考】
カタツムリの腹足の蠕動運動との比較(ヒダリマキマイマイの映像)
前進するヒダリマキマイマイ腹足の蠕動【早回し映像あり】
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
名著『わたしの研究:イラガのマユの謎』p57によれば、
イラガの幼虫には、あるくための足がありません(とくに、腹の足は、ほとんどみえません。胸の足は、すこしあとがのこっています)。どうしてあるくかというと、ちょうどナメクジがはうように、からだをうしろからまえへ、波のようにうごかしてすすみます。
つづく→#5:脱皮前の眠で微動だにするイラガ(蛾)若齢幼虫【100倍速映像】
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