2015/03/14

タケニグサの種子を食すウソ♂(野鳥)



2014年11月下旬

山間部の道を私が歩いていると、目の前の道端からウソPyrrhula pyrrhula)の群れが散り散りに飛んで逃げました。
(映像はここから。)
近くの灌木の小枝に止まった一羽の♂に注目して私が動かず静かに撮り続けていると、ようやく警戒を解いてくれたようです。
脱糞してから(ウソの方便@0:15)飛んで車道を横切り、道端に背高く生えたタケニグサの群落に舞い降りました。
晩秋で葉もすっかり枯れています。
ウソ♂は太くて短い嘴でタケニグサの種子を啄み始めました。
いかにも種子食に適した形状の嘴です。
私が通りかかるまでここで食事中だったようです。
採食行動をよく観察すると、中の種だけ食べて実の外側は捨てていました。
最後は近くの茂みに居た群れの仲間がなぜか逃げ出したせいで、撮影していた♂個体も採食を止めて一緒に飛び去りました。
映像の後半に群れの鳴き声がほんのかすかに録音されています。(
ウソ鳴きはなぜかボリューム最大でヘッドフォンを使わないと聞こえません。)

さてタケニグサは有毒植物として有名で、かつてはウジ虫の殺虫などに利用したそうです。

アルカロイドの一種サングイナリン(Sanguinarine)、ケレリスリン(Chelerythrine)、Bocconine、protopine、α-allocryptopineなどを含み有毒。(wikipediaより)
この種子をウソが食べても平気なのは、体内で解毒する秘密があるからです。
…ウソです、よく知りません。
それともタケニグサの実や種子には有毒成分があまり含まれないのかな?(※追記参照)

平凡社『世界大百科事典』でタケニグサを調べると、興味深いことが書いてありました。

・全体に粉白を帯び,切ると橙黄色の汁が浸出する。この汁はプロトピン protopine を主とするアルカロイドを含み,有毒。 ・実は扁平な楕円形の蒴果(さくか)で下垂し,長さ約2cm。5個内外の光沢のある黒色の種子が生じ,アリにより散布される。
タケニグサがアリ散布植物だという話は初耳でした。
秋に植物の種子を専門に収穫するクロナガアリのことなのか、それともタケニグサの種子にはカタクリの種子のようにアリに運んでもらう甘い報酬(エライオソーム)が付いているのでしょうか?
「タケニグサ&エライオソーム」でインターネット検索してみると、なんと私の予想が当たっていて自分でもびっくり。(参考サイト
これは是非とも自分で確認してみたいものです。
次の秋が楽しみ♪

ウソなど種子食の鳥類もタケニグサの種子散布に一役買っているかもしれませんね。
(私も初めはそのストーリーでブログを書くつもりでした。)
映像の冒頭でウソが排泄した糞
(ウソから出たまこと)を調べて未消化のタケニグサの種子が含まれていれば証明終了。
800羽ぐらいの糞を調べれば立派な研究になるかもしれません。(ウソ八百!)

※【追記】
英語版wikipediaによると、タケニグサの種子も有毒みたいです。
The seed oil contained dihydrosanguinarine, dihydrochelerythrine and twelve fatty acids of which linoleic, oleic, palmitic and stearic acids predominated.


0 件のコメント:

コメントを投稿

ランダムに記事を読む