2015年7月上旬
空き地の原っぱでハシボソガラス(Corvus corone)の群れが何やら鳴き騒いでいました。
原っぱの敷地に私は入れず金網のフェンス越しに隠し撮りしないといけなくて難儀しました。
(映像の全編に自動色調補正を施しています。)
じっと観察していると、どうやら巣立ったばかりの雛鳥に親鳥が給餌している、と状況が掴めました。
カラスの幼鳥は口の中が赤いので、見分けるのは簡単です。
一方、成鳥になると口の中も黒くなります。
幼鳥の赤い口を見せると親鳥に給餌を促す強力なシグナルになってるのかもしれません。
口の中の赤味はかなり長い期間残り、完全に喉の奥まで真っ黒になるには翌年以降までかかると言われている。(松原始『カラスの教科書』p59より)
親鳥は歩き回り、地上採食を続けています。
幼鳥は常に鳴き続け、親鳥の後をついて歩きます。
特に、親鳥が何か食物を見つけたら急いで駆け寄って給餌をねだります。
左右の羽根を同時に持ち上げ軽く羽ばたきながら嘴を開き「ガラガラガラ♪」あるいは「ギャー♪」のような奇声を発して親鳥にアピールし餌を求めます。
親鳥は一切鳴かず、口移しで給餌してやります。
親鳥は2羽(以上)いるようです。
たまに幼鳥が催促しても顔を背けて給餌してもらえないこともありました。
親鳥が給餌拒否したのか、それとも単に親鳥が採食に失敗して給餌する物が無かったのか、不明です。
幼鳥がしつこく催促しすぎて逆に攻撃されるのを目撃しました。(撮り損ねて残念。)
採食メニューが虫なのかそれとも植物質なのか、気になるところですけど、よく見えませんでした。
落ち葉を嘴で跳ね上げて回る行動は虫を探してるのだと思います。
給餌というよりも、何が食べられる餌なのか親鳥に教えてもらってる段階なのかもしれません。
幼鳥もときどき親鳥の真似して、原っぱの地面を啄んで自力で採食する練習をしています。
しかし、やる気(自主性)や親鳥への依存度に個体差があるようでした。
カラスはトコトコ歩くだけでなく、両足を揃えて跳んで歩く(ホッピング)こともあります。
いかにも子供っぽい歩き方のように見えましたが、幼鳥に特有の歩き方なのかな?(…とは限らない?)
同じ原っぱで地上採食しているスズメとカラスがニアミスしても互いに無関心でした。
初めはどの個体を撮るべきか目移りしていましたが、親鳥に注目して撮っていればいずれ幼鳥が駆け寄って来るので給餌シーンが上手く撮れることが分かりました。
この時期に近所でよく聞こえるカラスの妙に喧しい鳴き声(姿は見えず)の意味が突き止められたのも大きな収穫です。
幼鳥がうるさく鳴き続けるのは、親鳥とはぐれないように自分の位置を知らせるコンタクトコールにもなっているのかな?
ところで、幼鳥に給餌して面倒を見ている成鳥は本当に血のつながった親鳥なのでしょうか?
鳥類の場合は、繁殖を手伝っているヘルパー(協同繁殖)の可能性も考えられます。
ハシボソガラスのスペイン北部の個体群では協同繁殖が73%。両親以外は67%が若鳥。雄が雌の1.5倍。原っぱにヒトが入ってくると、カラスは鳴き騒ぎながら飛び立ち逃げて行きました。
幼鳥の餌をねだる鳴き声を声紋解析してみる?
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