2013年8月下旬
山地の道端に咲いた蔓植物の見知らぬ花でキンケハラナガツチバチ♀(Megacampsomeris prismatica)が吸蜜していました。
コガネムシ類の幼虫に寄生するはずですが、訪花中に偶然コアオハナムグリとニアミスしても寄主(?)の成虫には興味を示しませんでした。
この蔓植物の名前を知らなかったのですが、図鑑で調べてようやくガガイモと判明。
【追記】
矢追義人『ミクロの自然探検: 身近な植物に探る驚異のデザイン』という植物観察の本を読んでいると、「ガガイモとワイワイ学校」と題した章が設けられていました。
アマチュアの観察グループがガガイモの花の受粉機構を詳細に解明して、植物学の専門誌に論文を投稿するに至ったという話です。
説得力のある接写(および顕微鏡写真)のカラー写真が何枚も掲載されていて、読んでいるだけでも非常にエキサイティングな謎解きでした。
ガガイモの有効な花粉媒介者は、ツチバチ類であることがわかっている。ハチは花びらと蕊柱の間から口を差し込み、花筒の底の蜜を吸う。このとき、雄しべと雌しべの間の隙間が口の通路になる。隙間の真上に花粉塊をつなぐクリップがあり、割れ目が開いている。ハチが口を引き抜くとき、口はこの割れ目に挟まれ、そのまま花粉塊を持ち出す。花粉塊が持ち出されるとクリップの割れ目が閉まり、ハチの口を強く挟みつけ、容易には離れなくなる。 (p96より引用)
Google Scholarで文献検索してみたら、ありがたいことに全文PDFが無料でダウンロードできました。
Tanaka, Hajime, et al. "Andromonoecious sex expression of flowers and pollinia delivery by insects in a Japanese milkweed Metaplexis japonica (Asclepiadaceae), with special reference to its floral morphology." Plant Species Biology 21.3 (2006): 193-199.私も次回からは、ガガイモの花粉塊に注目して虫媒の様子を観察してみるつもりです。
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