2025/06/12

水入れが始まったばかりの田んぼで溺れるミミズを次々に捕食するハシボソガラス(野鳥)

 

2024年5月中旬・午後15:00頃・晴れ 

冬に水を抜いていた田んぼで、今年も田植えに備えて水入れと代掻きが始まりました。
灌漑用水を入れ始めたばかりの田んぼで1羽のハシボソガラスCorvus corone)が歩き回っています。 

やがて、泥の中から太いミミズを嘴で咥えて引っ張り出しました。 
右足でミミズを押さえつけながら嘴で引っ張り、千切ろうとしています。 
食べる前にミミズ体表のぬめりを取り除こうとしているのか、腸内の泥を取り除こうとしているのかな? 
結局、その場でミミズを捕食しました。 
ハシボソガラスは首を左右に素早く振って嘴の水気を切ると、再び次の餌を探し歩きます。 

すぐにまた別のミミズを発見しました。 
水に溺れたミミズは無抵抗でぐったりしていて、暴れません。 
カラスは足でミミズを押さえつけながら捕食しました。 

きれいに均された畦道にピョンと飛び乗ると、ハシボソガラスは濡れた嘴を足元の地面で拭いました。 
身震いしてから、隣の水入れ前の田んぼに移動してしまいました。 
じっと見ている私を警戒して、距離を取ったのかもしれません。 

水没した田んぼで溺れているミミズを探してハシボソガラスが次々と捕食していることが分かりました。 
水田は毎年、灌漑用水によって撹乱を受けるので、氾濫原と同じです。 



雪解けした畑では土壌が水浸しになってミミズが溺れそうになり、地上に避難してきたところを捕食者に狙われるのでしょう。


2025/06/11

平地の二次林で雨の日もうろつくニホンカモシカ【トレイルカメラ】

 



2024年5月下旬

シーン0:5/30・午前10:57・晴れ・気温29℃(@0:00〜) 
シーン0:5/30・午前11:27・晴れ・気温30℃(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
平地の二次林で、死んだアナグマの旧営巣地(セット)を見張る2台の自動撮影カメラに写ったニホンカモシカCapricornis crispus)を以下にまとめました。 


シーン1:5/31・午前5:51・くもり・気温16℃(@0:07〜)日の出時刻は午前4:16。 
薄暗い早朝にカモシカがセットに現れました。 
ここでいつも見慣れているタヌキやアナグマに比べると、カモシカが巨大で驚きます。 
画面の右端で立ち止まったのですが、下半身の右側面だけしか写っておらず、何をしているのか不明です。 
灌木の葉を採食したか眼下腺でマーキングしたと推測しているのですが、その後は右に立ち去りました。 


シーン2:5/31・午後12:01・雨天・気温15℃(@0:38〜) 
6時間10分後、同じ日の正午に、おそらく同一個体と思われるカモシカが戻ってきたようです。 

雨が降る二次林を右から左上奥へと横断しています。 
タヌキやアナグマがよく使う獣道は無視して、林内を突っ切って進んでいるようです。 


※ 雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
山から降りてきたニホンカモシカが平地の二次林で完全に居着いたようです。 
不思議なことに、夜の活動はまだ監視カメラで撮れたことがありません。 

二次林内でカモシカの溜め糞場を探してみたのですが、見つかりませんでした。 
もし冬まで居てくれたら、雪面の足跡(蹄跡)を辿って、溜め糞場やねぐら)を突き止めたいものです。 


つづく→

ヤマキヒゲナガ♂(蛾)の身繕いと飛び立ち【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年5月中旬・午前11:50頃・晴れ 

山道の横で広葉樹幼木の若葉にヤマキヒゲナガ♂(Nemophora japonica)が留まっていました。 
翅の金色模様が美しく輝き、非常に細長い触角が春風になびいています。 
小さな蛾ですけど、蛾の苦手な方にぜひ一度見て欲しい美麗種の一つです。 

日の当たる木の葉(樹種不明)の上で方向転換し、少し歩きました。 
なぜかその場で360°ぐるっと向きを変えました。 
飛び立つ前に風向きを調べているのかと思ったのですが、飛び立ちません。 
日光浴しているのでしょうか? 

やがて、その場で身繕いを始めました。 
自慢の長い触角を前脚で拭って、きれいに掃除しています。 

葉の上からヤマキヒゲナガ♂が飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:17〜) 
ところが、待てど暮せど飛んでくれません。 
近くで帽子を振り回しても、枝葉を揺らしても、まったく飛び立たないのです。 
痺れを切らした私が右手中差し指をゆっくり近づけ、翅の後端にそっと触れると、ようやく慌てて飛び立ちました。 
大型の蛾と異なり、小型の蛾は準備運動なしでも飛び立てるのが普通です。 

関連記事(12年前の撮影:220fps)▶ ヤマキヒゲナガ♂?(蛾)の飛び立ちハイスピード動画 


飛行中は長い触角の空気抵抗が明らかに大きくて、速く飛ぶのは無理そうです。 
鳥などの捕食者に襲われた時に明らかに不利だと思うのですが、このような形質がなぜ進化してきたのでしょう? 
♂だけが特に長い触角を持つのらしいので、性淘汰のハンディキャップ説ランナウェイ説で説明することができそうです。 
日本動物大百科9昆虫II』によると、
ヒゲナガガ類の♂では極端に長くなっていて、前翅長の2〜3倍の長さがある。これは群飛のときバランスをとるのに役立つのかもしれない。(p25より引用)
とのことですが、私はヒゲナガガ類の群飛をまだ一度も見たことがありません。 


木の葉の上で留まり、ぐるっと方向転換したり、飛びたがらなかったりしたことに何か意味があるのでしょうか? 
ただの日光浴だったのか、それとも交尾相手の♀を待ち伏せ、縄張りを張っていたのかな? 
本種の食草は解明されていないらしく、今回の止まり木の樹種をしっかり調べるべきだったかもしれません。 
(ヤマザクラ? キブシ?)
よくあるシナリオとしては、♀が産卵する樹種で♂が待ち伏せして交尾を挑むのかもしれません。

ランダムに記事を読む