2023年3月下旬・午後17:22〜17:53・晴れ(日の入り時刻は午後17:55)
早春の雪解け田んぼに集結して落ち穂拾いを続けるコハクチョウ(Cygnus columbianus bewickii)の群れを微速度撮影してみることにしました。
白鳥が密集している区画を狙います。
10倍速の早回し映像をご覧ください。
夕方になると、コハクチョウは小さな群れ単位で次々に飛来・着陸し、雪解け田んぼの群れに合流します。
この映像では伝わりにくいのですが、周囲の白鳥が歩いて移動し、広大な田園地帯の中央部に大群が密集しつつあります。
どうやら、コハクチョウはこのまま塒 入りするようです。
周囲の農道から一番遠い田んぼが最も安全です。
就塒前集合の挙動を記録するのなら、もう少し引きの絵で微速度撮影すべきでしたね。
てっきり今回のコハクチョウ大群は採餌群または就塒前 集合であり、日没前後にはいずれ一斉に飛び立って集団塒の川へと向かうだろうと私は予想していました。
ところが驚いたことに、日没後に暗くなっても餌場にそのまま居残り続けました。
吹きさらしの田園地帯で長時間撮影していた私は、防寒具を着込んでいても体がすっかり冷え切ってしまいました。
カメラの電池切れで微速度撮影が終了するまで、足踏みとシバリングしながら観察を続けます。
寒さに耐え切れなくなった私が午後18:05に撤収するときにも、コハクチョウは暗い雪田にまだ残留していました。
どうやらこのまま雪解け田んぼを集団塒とするようです。
コハクチョウが昼間の採餌場に留まってそのまま塒入りするという行動は初耳でした。
この時期、川の集団塒でカウントされるハクチョウの個体数が減るのは、必ずしも北帰したとは限らず、餌場で寝るようになったからだと分かりました。
近年、鳥インフルエンザの蔓延を防ぐために川岸で白鳥に給餌するのを禁止したのも影響してそうです。
早朝の夜明け前からコハクチョウの群れが雪解け田んぼに居ることを確認すべきだったのですが、翌朝はうっかり寝坊してしまいました。
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本田清『白鳥の湖』という本によると、
初めての撮影だった今回は、白鳥をなるべく警戒させないように、車道を挟んで反対側の路肩に三脚を立てて長撮りしました。
ハクチョウが河川の浅瀬や中洲などに降りたち、その場所をねぐらと定め、周辺一帯の水田などに採餌の場を求めるという生活は、ハクチョウの一般的な習性である。 (p73より引用)
「ねぐら」と水田地帯を往復するという日周行動は、豪雪期で動きの少ない一定期間を除けばシーズン中を通じて一貫しており、この姿こそ彼らの最も普通の生活態様なのである。 (p92より引用)
そのため、手前の車道を通行人や車が通りかかる度に写り込んで映像が乱れてしまいました(手ブレ補正の副作用)。
後半はカメラの設定で明るさを強制的に上げています。
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