2015/07/28
マイマイガ(蛾)幼虫が巣口に近づいても敬遠回避するムネアカオオアリ♀【暗視映像】
2015年6月中旬
この辺りでマイマイガ(Lymantria dispar japonica)幼虫が大量発生しており、毛虫(ブランコケムシ)が何頭も徘徊しています。
ムネアカオオアリ(Camponotus obscuripes)の巣に毛虫がたまたま近づいてしまったとき、巣口を守る門衛はどのような反応をするでしょうか?
もちろんマイマイガ幼虫は好蟻性昆虫ではありませんから、アリの巣に侵入しようとする意図は無く、単に食草や繭を紡ぐ場所を探し歩いているだけでしょう。
私の予想に反して意外にもムネアカオオアリの門衛は毛虫を積極的に(好戦的に)追い払おうとしませんでした。ムネアカオオアリは日本最大のアリなのに、マイマイガ幼虫の長い毛に阻まれて、全く攻撃できません。
警戒しつつも毛虫が立ち去るのを待っているだけでした。
同様のシーンを昼も夜も何度か観察することが出来ました。
(後半は赤外線の暗視カメラで撮影。)
面白がって毛虫が巣口の近くを通るように誘導したことも何回かあります。
もし毛虫ではない昆虫が相手なら、巣口への接近を許さず激しく撃退したのかな?
もしかすると私が思っていたほどムネアカオオアリは好戦的ではなく、無駄な争いはなるべく避けるのかもしれません。
外役に出た夜勤ワーカーが毛虫に遭遇しても襲って狩るどころか触角で触れた途端に慌てて回避しました。
やはり力関係でマイマイガ幼虫の方がムネアカオオアリよりも強いようです。
つまり、アリはマイマイガ幼虫を捕食する天敵として期待できそうにありません。
逆に言うと、マイマイガ幼虫の毛はアリから身を守る機能を充分に果たしています。
スズメバチ用の防護服のように、もしアリに対する防護服を開発する必要に迫られた場合、毛虫の毛がヒントになるかもしれません。
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