2015/08/16

成虫の死骸を解体して巣材とするノシメマダラメイガ(蛾)終齢幼虫



ノシメマダラメイガの飼育記録#21

2015年6月下旬

ノシメマダラメイガPlodia interpunctella)成虫が1頭、飼育容器の壁面にへばり付いて死んでいます。
その死骸の傍らに居る幼虫が気になりました。
分散移動の途中にたまたま死骸に遭遇して立ち往生しているのではなく、やけに死骸へ執着しています。
気になって観察していると、死骸を掴んで(噛んで?)保持しながら後退して引き寄せました。
翅を根本から食いちぎろうとしているようです。
もちろん幼虫が生きた成虫を捕食したのではなく、成虫は寿命で死んだのでしょう。
死骸なので共食いや親殺しではありません。
幼虫の餌として与えた穀物やチョコレートだけでは物足りず、屍肉を食べてタンパク質を補給しているのでしょうか?(scavenger)

※ プラスチック容器越しに撮った前半のみ自動色調補正を施してあります。

容器越しの撮影ではまどろっこしいので、容器の蓋を開けて直接接写することにしました。
辺りは死骸の鱗粉が散乱していました。
斜めに見下ろすアングルのため、肝心の幼虫の口元が残念ながらよく見えません。

先日、終齢幼虫が営繭する初めの段階で周囲から様々なゴミを集めては糸で綴って繭を強化する様子を観察しました。
その際に近くにあった成虫の死骸を引き寄せて解体していました。
親のバラバラ死体を巣材に再利用するという猟奇的な習性に震撼しました。

▼関連記事
ゴミを綴り繭を紡ぐノシメマダラメイガ(蛾)終齢幼虫【微速度撮影】

今回も似たような行動なのだろうと予測がつきました。
案の定、後日この場所で(おそらく同一個体が)繭を紡ぎました。
幼虫がゴミ資源(死骸)のすぐ近くを選んで営繭することが興味深く思いました。

この繭は中の蛹が透けて見えるので、成虫が羽化するまで観察を続けることにしました。

つづく→#22:蛹と幼虫の兄弟喧嘩




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