2023年6月下旬・午前9:40頃・晴れ
この組み合わせは初見です。
翅を半開きで開閉しながら吸蜜しています。
後翅裏の前縁から最初の翅脈までの間隔が細いことから♀と判断しました。
(参考:『フィールドガイド日本のチョウ』p212)
ムシトリナデシコの花から飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 (@0:24〜)
ホシミスジを撮れたのはこれが9年ぶり2回目で、私にとっては珍しい蝶です。
関連記事(9年前の撮影)▶ ヤエウツギの花蜜を吸うホシミスジ
♀の前翅表の眼状紋の黄環は幅広く、その周囲の地色はより淡色になることが多い。は腹部は太く短い。(『フィールドガイド日本のチョウ』p271より引用)
(ムシトリナデシコの)蜜は1.5cmもある細長い筒の中に隠されているので、口の長い昆虫にしか吸えない。(p42より引用)この花壇で様々な虫が訪花していましたが、確かにいずれも口吻の長い種類でした。 (映像公開予定)
風媒花から虫媒花に進化の舵を切り変えた花。 雄花は蜜を出し、雌花は蜜を分泌しないので昆虫はまれに触れるだけ。(p63より引用)クリが風媒花だとすると無駄なぐらい大量の花粉を放出しますから、毎年初夏にクリの花粉症になるヒトがいても不思議ではありません。
クロハナムグリ(左下)とコアオハナムグリ |
緑型と赤銅型のコアオハナムグリ |
・昼飛性で, 晴天の目中によく花に飛来するし, 湿地に群をなして止まっていることがある.
・幼虫はレンゲツツジ,ホツツジ,ウラジロヨウラクなどツツジ科やシラカンバの葉をつづって中にひそむ.次は幼虫を探してみるのも面白そうです。
シラフシロオビナミシャク、サカハチクロナミシャク、ダイミョウセセリ間3種の間にベイツ型擬態系が形成されていることを提唱する。
ツツジ科は有毒植物が多いので、それを食べて育つサカハチクロナミシャクの幼虫および成虫は毒成分を体内に溜め込んでいると予想されます。
したがって、成虫の白黒斑紋が似ている鱗翅目成虫はチョウ・ガによらずサカハチクロナミシャクにベーツ擬態しているのではないか?という仮説です。
こういう考察や予想は私も大好きです。
以下に私の見解を示しますが、この仮説には懐疑的です。
見た目の類似性だけで言うと、サカハチチョウ夏型も含まれませんかね?(ちょっと赤色の斑点がありますけど)
フィールドでの個人的な印象では、このグループで無毒のダイミョウセセリやサカハチチョウが一番多い普通種で、他の種類(シラフシロオビナミシャクや有毒のサカハチクロナミシャク)は少ないです。※
※ もちろん定量的にきっちり調査した訳ではありませんし、私の探し方が下手なだけかもしれません。
これでは鳥などの捕食者は味見して痛い目にあう学習の機会が確率的に(ほとんど)なくてベーツ擬態が成立しないのではないでしょうか?
つまり、鳥がミミック種(無毒)を忌避しているのであれば、個体数がミミック種(無毒)<<モデル種(有毒)という状態で均衡しているはずです。
とりあえず実際に鳥に飼育下で給餌してみて、有毒種のサカハチクロナミシャクを忌避するかどうか、確かめてみたくなります。
サカハチクロナミシャクが本当に有毒で不味いのであれば、もっと派手な警告色を身に纏うように進化しなかったのは不思議です。