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定点観察・飼育記録シリーズ一覧
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2010年10月下旬
山道の地面で派手な黄色のナメクジを発見。
同種と思われる個体を前回(二ヶ月前の夏に) 初めて見た位置から少し登った地点なので、これもハナタテヤマナメクジなのだろうか(自信なし)。
幸いこの日は三脚を持参していたので、約25分間の長撮り映像を20倍速の早回しにてお届けします。
落ち葉の下にゆっくり潜ろうとするので、予め進行方向の落ち葉を除いておきました。
ナメクジが這った跡は粘液が残ります。
途中でなぜかUターンしたりするので、意外に進路を予測できません。
背中に付着した松葉を引きずって行きます。
撮影時における地表の気温は日が陰ると14℃から12℃に下がりました。
新潟県で発見されたというハナタテヤマナメクジに関しては、こちらのブログ で直接質問したいのですけど、コメントを付けられないのが残念。
福島県でもそれらしき目撃例 が。
東北地方の特産なのだろうか。
【追記】
某TV局の方に仲介してもらい、ナメクジの専門家に質問してもらいました。
学名につきましてですが 結果から申し上げますとはっきりと分かっていません。 ナメクジ研究に詳しい大学の先生方に伺ったのですが ハナタテヤマナメクジのようにも見えるし、動画からではわからないとおっしゃられておりました。 また、バナナナメクジは南米の方にしか生息しておらず 国内では見つかっていない筈だと仰られてました。
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2010年6月上旬
梁に並んだキムネクマバチ (Xylocopa appendiculata circumvolans )の巣穴群でこれは最も穿坑の進んだ巣穴です。
入り口から蜂が顔を出して辺りの様子を見張っていました。
巣穴を充分に拡張したようで、中で自由に方向転換できるようになりました。
これまで定点観察してきた隣の巣穴は進展がないので観察対象を切り替えました。
同じ材木でもたまたま材質が固い部分に行き当たり、歯が立たず諦めたのだろうか。
実は先日、穿坑作業中のクマバチに個体識別のマーキングを施そうとしました(映像未公開)。
そのとき逃げられて以来この巣で蜂の姿を見てないので、嫌気がさした(身の危険を感じた)のかもしれません。
≪参考≫
『本能の進化:蜂の比較習性学的研究』 岩田久二雄 眞野書店 p354 より
「クマバチは完成した巣の入口を封じるという習性、すなわち巣蓋は決して造らないのである。このような新しい成蜂の同居巣(それには母蜂もある期間同居する)は、外敵に対して明らかに共同防衛されていて、外から巣壁をたたくと、中の一匹が巣口に近づき腹部の背面で内側から入口を蓋するのが常で、もし指を当てると、それが雌であれば、たちどころに刺されるのである。」 クマバチは年一化性である。
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2010年6月上旬
前回の観察から2日後。
キムネクマバチ (Xylocopa appendiculata circumvolans )の巣作りはかなり進展したようで、穴に頭部がすっぽり収まる深さになっていました。
頭隠して尻隠さず。
(つづく )
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2010年5月下旬
年季の入った木材の下面でキムネクマバチ ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans )が巣作りのため穿坑していました。
鋭く強力な大顎でガリガリと木を齧り取っていきます。
梁にぶら下がって作業するので、腹面に木屑が溜まっています。
蜂は複眼ですから、ゴミが目に入っても当然痛くありませんね。
顔が半分ぐらい穴に埋まるようになりました。
クマバチにとってこの梁は恰好の営巣地のようで、ほぼ同じ大きさの巣穴が幾つも並んでいます。
その全てが下面か側面に掘られていました。
上面に穿坑すると雨水が侵入したり、木屑の排出に支障を来したりするのでしょう。
初めての観察でとても感動しました。
しかしこんな狼藉を働くのでは木造建築の害虫と言われても仕方ないですね。
(つづく )
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2010年6月上旬
田んぼの畔で二羽のカルガモ (Anas poecilorhyncha ) が仲良く並んで羽繕いしていました。
ときどき嘴で水を飲んでいます。
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2010年6月上旬
春型のキアゲハ (Papilio machaon )が口吻を伸ばし、タニウツギ の花から蜜を吸っていました。
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2010年6月上旬
山寺で木の柱の節穴(枘 ( ほぞ ) 穴?)に営巣している蜂を発見。
育房にせっせと花粉を詰め込んでいるようです。
帰巣した蜂は頭を先に巣穴に入れて点検(?)した後、向きを変えて下半身を中に入れます。
次に腹部腹面のスコパ(集粉毛)から黄色の花粉を掻き落とします。
前脚は巣穴の外に出しているので、中脚と後脚を使って掻き落としているのだろう。
頭を巣穴に入れているときにキュッキュと音がするのが興味深い(要ヘッドフォン)。
これは蜂の羽音なのかそれとも満足気に鳴いているのだろうか。
育房の点検ではなく、集めてきた花蜜を吐き戻しているのかもしれない。
作業が終わると蜂はすぐに飛び去ってしまいます。
動画を撮るのに精一杯で、写真は撮る余裕はありませんでした。
蜂類情報交換BBSにて映像を見てもらったところ、「大顎の形状からハキリバチの仲間であるが種名までは分からない」と教えていただきました。
5日後に再訪すると、既に巣穴は泥(または木屑を練った物?)で閉じられていて蜂の姿はありませんでした。
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2010年6月上旬
日当たりの良い砂利道の林道上でアリの巣を発見。
羽アリが数匹、巣穴から顔を覗かせてソワソワしていました。
近寄ると驚いた一匹が飛び立ちました(映像なし)。
羽アリは飛翔筋を収めた胸部が非常に発達していて頭部がとても小さいことから、女王アリではなくて雄アリと判明。
結婚飛行が見られるかと期待しましたが、いつまでたっても巣立ちしません。
気象条件や時間帯が良くなかったのだろうか(マリッジブルー?)。
ワーカーも業を煮やしたのか、一度♂を巣穴から引きずり出しました。
2つの巣口は中でつながっているようなので、あるいは「未だ早い」と♂を引っ張り込んだのかもしれない。
近くで働くワーカーの体長がまちまちです(多型)。
かなり大型の個体もいました(兵アリ?)。
二匹ほどワーカーを採集して調べてみるとクロオオアリ (Camponotus japonicus )のようです。
残念ながら♂は巣の奥に戻ってしまい、採集できませんでした。
アリの本によるとクロオオアリの結婚飛行は、
「先に飛び立った女王アリが振りまくフェロモンの匂いを頼りに、♂アリは女王アリを追跡、交尾を目指す」そうです。
「クロオオアリが空への新婚旅行をおこなうのは5月の末から6月の中旬にかけてである。その出発の時間も一定していて、大体、午後の7時から8時半までの間である。(中略)クロオオアリの場合には、晴れて蒸し暑く、しかも風のない夕方のみに結婚飛行が行われるということになる。(中略)条件の悪いときには結婚飛行に行くのを巣入口の働き蟻が制止しているように見える。」
≪参考図書≫
『カラーサイエンス4:クロオオアリ』 集英社
『科学のアルバム:アリの世界』 あかね書房
『アリの生態ふしぎの見聞録:60年の研究が解き明かすアリの素顔』技術評論社 p6, 210
『蟻の結婚』法政大学出版局 p66〜
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2010年6月上旬
物置内に迷い込んだ蜂が壁際で身繕いしていました。
飛び立つ前に一瞬見えた顔面の頭楯の模様からシダクロスズメバチ (Vespula shidai )と判明。
たまたま同じ日に近くで採集した別個体のシダクロスズメバチ♀は大きさ(体長17㎜)から女王と判明。
ということは未だワーカーが羽化する前の創設期なので、動画の個体も女王なのかな。
近くに営巣していると嬉しいなー。
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2010年10月下旬
里山でベッコウバエ (Neuroctena formosa )が草の葉に止まって休んでいました。
前足を擦り合わせ身繕いしています。
何度か飛んで移動しました。
招き猫のように左右の前脚で交互にゆっくり宙を掻くような仕草が気になります。
▼関連記事(11年後の撮影)
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2010年6月中旬
個体識別をするため、一時捕獲したコガタスズメバチ (Vespa analis insuralis )創設女王に炭酸ガス麻酔下で白の油性ペンで体に目印を塗りました。
ようやく麻酔の影響から回復すると巣内には戻らず、外被 上を歩き回り始めました。
飛ぶ元気は未だないものの、そのまま上の足場や板壁を伝って天井へ達しました。
どうやら隙間から外に出たようで、これが女王を見た最後の姿になりました。
今回のマーキング作業は単独営巣期の神経質な女王にとってよほど強烈なトラウマだったようで、巣を見捨てて逃去したまま二度と戻って来ませんでした。
念のため様子を見に その後 何度か通ってみたものの、廃巣になってしまいました。
幼虫への給餌が本格化すれば巣への愛着も一層増したはずなので(それまでの投資を易々と無駄にできない)、それから捕獲・標識しても遅くなかったはずです。
完全に私の勇み足による失敗でした※。
個体識別できるかな?と欲を出したせいで、継続観察できる千載一遇の機会を台無しにしてしまいました。
後日採集した廃巣を調べると、巣盤は一層で育房数18室。
萎びた卵と若齢幼虫のみで一匹も繭になっていませんでした。
孤児となった蜂の子に人工給餌してワーカーが羽化するまで責任持って育てたかったのですけど、とても余力がありませんでした。
※ 並行して定点観察しているキアシナガバチの創設女王は単独営巣期に同様の手順で一時捕獲およびマーキングしても巣を見捨てず営巣を続行しました。
これに味を占めてコガタスズメバチも大丈夫だろうと楽観してしまったのです。
残念な結果に終わりましたが、その代わりに別の初期巣を野外で見つけました。
観察対象を変えて本シリーズは続きます。
(つづく )
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2010年6月中旬
コガタスズメバチ (Vespa analis insuralis )創設女王に個体識別のマーキングを施すことにしました。
近々羽化してくるワーカーと明確に区別するためです。
単独営巣期の女王蜂は一般に神経質ですが、徳利状の外被が完成したので一時捕獲しても巣を捨てて逃げるおそれは少ないだろうと判断しました。
在巣の女王を安全にかつ巣を壊さないようにどう捕獲するか悩みました。
試行錯誤の末、捕虫網を下から被せて出巣を待つことに。
女王が網に取り付いてくれてあっさり御用。
麻酔容器に移し、暴れる女王様を炭酸ガス※で眠らせました。
背中に二ヶ所(胸部と腹部)白い油性ペンで印を付けました。
ついでに採寸するのを忘れてしまった。
麻酔から覚めかけたところで巣の外被に掴まらせました。
長時間ふらついていたので少し心配です。
女王は念入りに身繕いを繰り返しました。
足先が胸背中央にも届くようですが、幸いマーキングは掻き落とせないようです。
やはりマーキングした背中に違和感があるのかな?
麻酔から完全に回復するまで見守りました。
※ CO2ボンベはペットショップの熱帯魚コーナーで水草育成用のスプレー缶を販売しています。
捕獲した蜂を低温で冷やすことで眠らせることも可能ですが、CO2の方が簡単で即効性があるのでフィールドワークで虫の動きを一時的に止めたい場合、昨年から私はこちらを愛用しています。
エーテルは入手が面倒で取扱いも難しいそうです。
(つづく )
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2010年6月中旬
なぜかこの日のコガタスズメバチ (Vespa analis insuralis )女王は外被の増築を行いませんでした。
巣材のペレットを咥えて帰巣したように見えましたが、巣内で使い切ったようです。
育房を増築したのだろうか。
スズメバチは原則として、外から採取してきた巣材は外被に付け足し、巣盤・育房用の巣材は外被 の内側から齧り取った緻密な繊維を再利用する(scrap-and-build工法)はずなので、不思議に思いました。
初期期の外被 は未だ一層しか無いので再利用する余裕が無いのだろうか。
それともあのペレットは幼虫に与える肉団子だったのだろうか。
巣口の首にぶらさがって点検中に外被上を徘徊中のアリを発見し直ちに攻撃・撃退しました(1:57)。
≪スズメバチ初期巣を観察する際の注意点 ≫
女王の帰巣シーンを接写するためカメラを構えて巣のすぐ近くで待機していると、黒いカメラの前で女王が威嚇するようにホバリングするので焦りました。
ゆっくり後退して巣から離れると許してくれました。
これは何度も見られた行動なので、通説通り黒はスズメバチを刺激する色のようです。
念のためカメラの黒いボディを白い袋などで覆うと良いかもしれません。
私はマクロモードでの接写を諦め、少し離れた位置から望遠で狙う方法に切り替えました。
接写したい時はマクロレンズを装着すれば安全な距離を保ったままクローズアップできます。
頭髪が黒い人は最低限、帽子を被るなどして隠しましょう。
黒っぽい服はもちろん、香料を含む整髪料や化粧品もご法度です。
ワーカーとは異なりスズメバチの女王は一般に攻撃性が低く、この件以外では撮影中に危険を感じることはありませんでした。
次世代を残す使命のある女王蜂は保身第一に行動するようです。
真似する人は余りいないと思いますが、観察の基本的な注意点を記しておきます。
(つづく )
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2010年6月中旬
巣口からコガタスズメバチ (Vespa analis insuralis )創設女王が顔を出しています。
出巣の兆候かと思いきや、動きがありません。
暑い巣内は息が詰まるのだろうか。
それともアリが外被 上を這い回っているのを察して(虫の知らせ)警戒中なのだろうか。
コガタスズメバチの初期巣の出入り口は細長い首の先端に一つあるだけです。
仮に巣がアリの集団に襲撃されても(多勢に無勢)、敵の侵入路を限定してそこを守れば1対1の局地戦に持ち込み個別に撃破するだけで済みます。
籠城戦略の基本ですね。
スズメバチの武器である大顎を前面に出して、外を見張りつつ出入り口を体で塞いでしまえば侵入者への備えは万全です。
ワーカーが羽化すれば巣の防衛力も上がるので、外被 の筒状の首部分は不要になります。
(つづく )
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2010年6月中旬・気温32℃
この日の温室の気温はなんと32℃、サウナのようです。
汗だくでコガタスズメバチ (Vespa analis insularis )の初期巣を観察しました。
隣にあった古巣のコロニーはもしかしたら駆除されたのではなくて、夏暑すぎて逃去したのかもしれないと思うようになりました。
同じスズメバチ科に属するアシナガバチ類にとって、単独営巣期における最大の天敵は蟻なのだそうです。
徘徊する働きアリに巣を発見されてしまうと、貴重な卵や幼虫が略奪されてしまうらしい。
アシナガバチの創設女王は外出前にアリ避け物質を腹部腹面から分泌して頻繁に巣に擦り込んだり、巣柄を細くして侵入路を最小にしたり、様々な対策・工夫を凝らしています。
一方、スズメバチ類では巣盤の作りはアシナガバチとそっくりですが、外被 を発明して全体を覆う点が決定的に違います。
保温効果の他に外被 には蟻避けの機能も備えているのだろうか。
コガタスズメバチの初期巣に特有の外被 の細長い首の部分は、もしかしたら「蟻返し」の役目を果たしているのではないかと密かに考えていました。
前置きはこのぐらいにして、実際はどうでしょう。
小さな働きアリ(種名不詳)が何匹も外被上を徘徊しているのを発見。
どうやらアシナガバチとは違い、蟻避け物質は巣に塗布されていないという印象を受けました。
在巣の女王が巣口から顔を出して辺りを窺います。
飛び立つ前に目の前の外被上をアリが歩いていましたが、ニアミスしても気づかなかったようです。
巣に腹部腹面を擦り付けて回る行動も見たことないですし、外被 も黒光りしていません。
本当は色々な種類のアリを捕まえて外被 上に放ち実験してみたいところですが、怖い女王様がいるので実行できませんでした。
(つづく )
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2010年6月中旬・ 気温29℃
コガタスズメバチ (Vespa analis insularis )初期巣の定点観察。
徳利を逆さにしたような独特の外被が遂に完成しました。
隣にある古い廃巣と比べると未だ徳利の首の長さはやや短いです。
巣口から覗いても巣盤はもう見えません。
女王が外出する前に、まず巣内でガサガサ歩き回る音がします。
次に外被の首から触角が覗くので、出巣の兆候を見逃すことはありません。
外で巣材を集めてきた女王はいつものように一度巣内に入りました。
巣材を大顎に咥えてまた出て来ると、外被 上を歩き回り点検を始めました。
外被の短い首部分を伸ばすのかと思いきや、外被 の基礎部分(金属製足場との接着面)に巣材を塗り始めました。
外被作りを接写していたら不自由なアングルのせいで隣の古巣にうっかりカメラをぶつけてしまい脆い外被 がすっぽり剥落してしまいました。
いずれ採集するつもりだったので、ナイフで巣柄を切り落として持ち帰りました※。
似た形状の古巣が無くなり、並んだツインタワーが一つになっても、創設女王は帰巣に迷う様子はありませんでした。
次の二回の外出は空荷で戻りました。
※ 採集した古巣の外被 を切開してみると、未だ一層しかない巣盤は育房数33室で、羽化済みの白い繭キャップも3個ありました。
ワーカーが少なくとも3匹は羽化した後に何らかの理由で廃巣になったものと思われます(駆除?)。
外被の首の部分の色が他と違って白っぽいのはワーカーが女王と違う場所から巣材を集めてきたからでしょう。
興味深いのは巣盤も二色のモザイクで、創設女王が単独営巣期の途中で巣材を変更したことが伺えます。
外被の首部分の直径は約15mm。
(つづく )
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2010年6月上旬
夜の女王はどうしているか、寝起きどっきりを敢行。
コガタスズメバチ (Vespa analis insuralis )の初期巣を夜中に見に行ってみました(2夜連続)。
巣の中を覗くと抱卵姿勢で休んでいました。(カーリング行動)
しかし巣に近付くまでに物音や懐中電灯の光で女王を起こしてしまったようです。
私のカメラには暗視機能が付いて無いのですが、こういう時のために赤外線投光器が欲しいところです。
外被の建設も順調で、半分を越えてすぼまりつつあります。
育房も16室に増えました。
(つづく )
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2010年6月上旬
コガタスズメバチ (Vespa analis insuralis )初期巣の定点観察。
外被の上半分が完成していました。
育房数は14室で、2日前より+5。
在巣の創設女王は巣盤と外被の狭い隙間で巣柄を抱くように丸まり抱卵していました。(カーリング行動)
腹部をアコーディオンのように伸縮させています(蛇腹運動)。
スズメバチ類の女王に特有の抱卵姿勢を間近で観察するのは初めてでした。
女王がどのぐらい発熱しているのか、いつかサーモグラフィーで調べてみたいものです。
(つづく )
2010年6月上旬・気温25℃
コガタスズメバチ (Vespa analis insuralis )創設期の巣の定点観察。
巣盤の育房数は9室となり、2日前より2室追加されました。
毎日1室のペースで増設されるのだろうか。
巣盤を覆う外被の上部が建設中。
不格好ながら円形の屋根が出来ました。
今回はマクロレンズを使わず、通常のスーパーマクロモードで外被作りの作業を接写してみました。
レンズが至近距離にあるので、女王がやや緊張しているようです。
巣材を集めて帰巣した女王はしばらく巣に止まり、巣材を噛みほぐし丸めます。
外被の縁に巣材を追加すると汚れた体を化粧し、増設した箇所を少し整形しました。
設計図やろくろも無いのに丸い外被や六角形の育房を無から作り上げる様は驚嘆します。
巣を点検してから次の巣材集めに飛び立ちました。
女王が外役に出かけるときと帰巣するときは別のルートを飛ぶようです。
隣にある同じコガタスズメバチの古巣(1年以上前に創設期の段階で廃巣となったもの)を採集するつもりでしたが、どうするか思案中です。
新しい巣が大きくなると二つの外被が融合するのだろうか。
ワーカーが古巣を撤去したり巣材を再利用したりするのだろうか。
今のところ創設女王は見向きもしませんが、同じ大きさまで巣が拡張したとき、帰巣時の女王やワーカーが混乱して2巣並行営巣を始めたりしないだろうか。
(つづく )
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2010年10月下旬
里山の急斜面を下っていたら目の前を蛇が蛇行して逃げていきます。
特徴的な銭形模様でニホンマムシ (Gloydius blomhoffii )と気づきました。
林床の枯葉に静止していると完璧なカモフラージュ(保護色)です。
足場がひどく悪いので苦労しながら(ずり落ちないよう、ほぼ五体投地のような姿勢で)カメラを構えて匍匐前進すると、マムシは潅木の根元に隠れとぐろを巻きました。
油断なく顔をこちらに向けときどき舌をチロチロ出し入れしてこちらの様子を窺っています。
鎌首をもたげつつ、胴体の下半身も少しずつとぐろに巻いていきます。
鼻の横のピット器官も見えます。
胴体の拍動で息遣いも分かります。
調子に乗って毒蛇を追い詰めてこれ以上怒らせると危険なので、ゆっくりその場を離れました。
もう少し条件が良ければニホンマムシの威嚇行動も観察してみたいものです。
wikipediaによると 本種は
「危険を感じると尾を寝かせた状態で細かく振るわせ、地面などを叩いて音を出して威嚇するが、これは他のヘビにも見られる行動である」
とのこと。
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2010年9月中旬
前回の観察 から15日後。
ムモンホソアシナガバチ (Parapolybia indica )の巣の中央部がえぐれたように損壊していました。
在巣の成虫も個体数が激減しています(最大で♀4♂1)。
目立たない狭い空間に営巣しているので、野鳥やヒトの仕業とは考えにくい。
天敵のヒメスズメバチに襲撃されたのだろうか。
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2010年8月下旬
定点観察してきたムモンホソアシナガバチ (Parapolybia indica )の巣を久しぶりに見に行ったら、♂が羽化していました。
アシナガバチの♂は触角の先がカールしており顔が白っぽいので、♀との区別は簡単です。
しかしこれまで見慣れたPolistes 属の♂とは少し印象が違いました。
♂の触角をよく見ると、先端が細長く尖っています。
これはムモンホソアシナガバチ♂特有の形質で、ヒメホソアシナガバチ♂との違い(識別点)なのだと蜂類情報交換BBSにて教えてもらいました。
羽化直後の(日齢の若い)個体は♀♂ともに黒っぽい複眼をしています。
この日はコロニー全体として活動性が低く、在巣の成虫はひたすら静止しているだけでした。
たくさん居る♀も働かない新女王にほぼ切り替わったのだろうか。
私には本種のワーカー/新女王の区別は分かりませんでした。
(つづく )
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2010年8月上旬
木の電柱に設置された配電盤の裏という目立たない場所にアシナガバチの巣を発見。
地上175cm。
巣柄は板状で縦にプラスチックの配電盤と固定されています。
その上部に古巣の痕跡が残っています。
育房は横向きに作られ、雨水の浸入を防ぐためなのか水平よりやや下向きに傾いています。
在巣の♀は10匹ほどで、各々がおとなしく静止していました。
見ていると一匹が帰巣し、幼虫に肉団子を給餌して回ります。
顔を正面から接写してみると、頭楯に黒い縦条が見られないことからムモンホソアシナガバチ (Parapolybia indica )と判明。
一匹だけ複眼の黒い♀が巣の下部にいました。
羽化直後の若い個体だろう。成熟すると複眼の色が褐色になるのは普通のアシナガバチ属(Polistes )と同じみたいです。
腹を空かせた幼虫が育房から頭を出して餌をねだり、成虫との栄養交換が見られました。
幼虫は頭楯も白色である点が見慣れたアシナガバチ属の幼虫とは違いました。
これから時々通って定点観察してみることにします。
(つづく )
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2010年6月上旬
コガタスズメバチ (Vespa analis insuralis )女王が留守の間に育房内を観察しました(育房数7室+卵)。
近くに同じコガタスズメバチの古巣(創設期に廃巣となったもの)があっても、女王は迷わず帰巣します。
新たに外被を付け足した部分は濡れています。
錆びた金属製足場の側面に巣柄が固定されているため、外被の作り始めは半球状です。
匠の技を間近で堪能しました。
作業を終えた女王は体を清掃し、巣を点検してから再び外出しました。
(つづく )
2010年6月上旬・ 気温25℃
コガタスズメバチ (Vespa analis insuralis )初期巣の定点観察。
育房数は7室となり、前日から2室増設されました。
外被の建築も始まりました。
創設女王の仕事の早さには驚くばかりです。
外で巣材を集めて帰巣すると女王は巣盤下に止まり、しばらく巣材ペレットを噛みほぐしこねています。
作り始めの外被の縁に巣材を付け足し、大顎で粘土細工のように薄く延ばしていきます。
左右の触角で外被を両側から挟むように触れつつ後退しながら作業を進めています。
厚さを測っているのだろうか。
ろくに休む間もなく、次の巣材集めに飛び去ります。
(つづく )
2010年6月上旬
建築用のアルミ製足場の下にコガタスズメバチ (Vespa analis insuralis )の初期巣を発見。
女王の活動が見られずどうやら古巣のようです。
昨年何らかの事情で女王が死んだか営巣を中止したのでしょう。(駆除された?)
この日は古巣を採集するつもりで訪れたら、なんと隣で別のコガタスズメバチ女王が新しい巣を作っているところに遭遇。
2日前には無かったので、まさに作り始めホヤホヤです。
こちらは足場の側面に巣柄を固定してあります。
未だ外被も無く剥き出しの巣盤は5室の育房から成り、中に産卵済みでした。
外被が無い段階ではアシナガバチ類(同じスズメバチ科)の初期巣と似ています。
女王は外から集めてきた巣材を噛みほぐしては育房の天井部や壁に付け足し、せっせと延ばしていました。
触角を激しく動かして計測しながら大顎を器用に使っています。
匠の技を間近で堪能できて幸せでした。
顔を見るとオオスズメバチと違い頭楯下端の突起が3つあることがコガタスズメバチの特徴です。
どうやら巣材はすぐ近くから調達してくるようで、外出してから30秒ぐらいで戻ってくることもありました。
作業の合間に休むときも未だ巣盤の天井部が狭くて、抱卵姿勢を取りたくても出来ないでいる女王の姿が微笑ましい。
ここは温室のようになっていて落ち着いて観察できる絶好のロケーションなので、これから定点観察を続けます。
二つの巣の間隔は約16cm(巣柄の距離)。
(つづく )
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2010年6月上旬
ハルジオン の花で食事中のミクロ蛾。
虫我像掲示板にて問い合わせたところ、写真鑑定でギンモンマイコモドキ ♂(Pancalia isshikii )とご教示頂きました。
本種は雌雄で紋様が異なり、「♀の前翅は一様に黒、♂の前翅は中央部に暗橙色の鱗粉を散らす」のだそうです。
昼に活動するミクロ蛾は艶やかで美しい種類が多いですね。
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2010年6月上旬
道端で羽をもつ女王アリが何匹も徘徊していました。
結婚飛行のため巣から出てきたところなのでしょうか。
草の葉に登ってから飛び立つもののお腹が重そうで、どうやらあまり長距離は飛べないようです。
♂アリの姿は見ませんでしたけど、後から追ってくるのだそうです。
交尾する様子もいつか観察してみたいものです。
二匹ほど採集して調べてみると、どうやらクロオオアリ (Camponotus japonicus )のようです。
≪参考図書≫
『カラーサイエンス4:クロオオアリ』 集英社
『科学のアルバム:アリの世界』 あかね書房
『アリの生態ふしぎの見聞録:60年の研究が解き明かすアリの素顔』技術評論社 p6, 210
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2010年6月上旬
野外で見つけたときはあれほど激しく交尾を拒んでいた のに、採集したスギノアカネトラカミキリ (Anaglyptus subfasciatus )の♀♂ペアは飼育下では何事も無かったかのように交尾していました。
断続的に何度も交尾を繰り返します。
交尾器の結合部を接写してみました。
♂生殖器の伸縮が見られます。
仲良き事は美しき哉。
♂がときどき前後逆にマウントするのもご愛嬌。
交尾を観察できて気が済んだので、撮影後は外に逃してやりました。
【追記】
『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p146によると、
カミキリムシの配偶行動全体を見ると、♂が分泌する性フェロモンによる♀の飛翔接近 と、♀が分泌する性フェロモンによる♂の♀への近接距離からの歩行接近と交尾、という2つのプロセスからなっていることがわかる。後者には視覚刺激と接触刺激も関与している。
【追記2】
岩淵喜久男『カミキリムシの行動とフェロモン』によると、
最近、ブドウトラカミキリの雄性フェロモン成分の類縁化合物が、スギノアカネトラカミキリ(など)で、雌誘引性の雄性フェロモンとして相ついで見つけられた。 (『虫たちがいて、ぼくがいた:昆虫と甲殻類の行動』第1-2章p29より引用)
【追記3】
何気なくスギノアカネトラカミキリの学名「Anaglyptus subfasciatus 」で文献検索(Google Scholar)してみると、本種の♂が分泌する揮発性の性フェロモンが同定されていることを知りました。
スギ林業に対する大害虫なので、防除の必要に迫られて、世界中の農学部などで化学生態学の研究が進んでいるようです。
Leal, Walter S., et al. "Structure, stereochemistry, and thermal isomerization of the male sex pheromone of the longhorn beetle Anaglyptus subfasciatus." Proceedings of the National Academy of Sciences 92.4 (1995): 1038-1042.
全文PDFが無料で公開されているのでありがたく入手。
苦手な有機化学の部分はすっ飛ばして行動学に関する部分を斜め読みしただけでも、色々と勉強になりました。
It has been shown that A. subfasciatus females are attracted to males in a wind tunnel and that a male-specific cuticular structure in the pronotum seems to be involved in pheromone secretion (3). We have confirmed that reproductive behavior in A. subfasciatus utilizes male-released sex pheromones, which are now fully characterized as 3-(R)-hydroxy-2- hexanone and 3-(R)-hydroxy-2-octanone.
【しぐま超訳】
スギノアカネトラカミキリ♀は風洞実験で♂に誘引されることが既に証明されていて、前胸背板にある♂特有の クチクラ構造がフェロモン分泌に関わることが示唆されてきた。我々はスギノアカネトラカミキリ♂が分泌する性フェロモンが配偶行動に関わることを確かめ、その実体が「 3-(R)-ヒドロキシ-2- ヘキサノンおよび3-(R)-ヒドロキシ-2-オクタノン 」と完全に同定した。
♀の性選択(交尾相手の選り好み)についても、興味深い議論がなされていました。
The ratio of semiochemicals in a pheromonal bouquet often plays an important role in chemical communication. By collecting airborne volatiles from A. subfasciatus males of different ages, we observed that the older the insects, the smaller the ratio of C6 to C8 ketols. Females are, therefore, presented with information concerning the age of a potential mate. Whether this information is taken into account as a basis for sexual selection is an intriguing question.
【しぐま超訳】
スギノアカネトラカミキリ♂は加齢(羽化後の性成熟)と共に、性フェロモンの揮発性混合物の中でC8ケトールに対するC6ケトールの比率が減る。したがって♀は求愛してきた♂の日齢を検知して性選択(交尾相手の選り好み)の判断基準としている可能性がある。
私の観察例では、ここが重要なポイントかもしれません。
♀が♂に対して激しく交尾拒否していたのに、採集して容器にしばらく閉じ込めるとケロッとして交尾を受け入れた謎を解くヒントがこの辺りにありそうです。
それから余談ですが、スギノアカネトラカミキリ成虫が後食のために訪れる花の芳香が誘引性カイロモン として働くことが知られているそうです。(合成性フェロモン剤と合わせて誘引トラップ開発への期待)
VIDEO
2010年6月上旬
地上で暴れている虫がいるので何事かと近づいてみると、カミキリムシの♂が交尾を激しく拒む♀に必死にしがみついていました。
交尾器は未だ結合していません。
体格に勝る♀は背後から執拗に迫る小柄な♂を脚で振り落とそうとしています。
何だか身につまされるようで笑ってしまいました。
私がこれまで見てきた虫の世界では♀に振られた♂は紳士的に諦めるのが常でした。
これほど激しい交尾拒否としつこい♂を見るのは初めてのような気がします。
これが彼らの求愛の儀式なのだろうか?
(嫌よ嫌よも好きのうち? じゃじゃ馬馴らし?)
カミキリムシの掲示板(K-Chat) で問い合わせたところ名前はスギノアカネトラカミキリ (Anaglyptus subfasciatus ) とご教示頂きました。
杉などの害虫として知られているらしい。
確かにここは神社の境内なので、立派な杉の木が近くに生えていました。
撮影後にこのペアを採集して持ち帰ると、飼育下ではおとなしく熱い交尾を繰り返しました。
(つづく )
【追記】
宮竹貴久『恋するオスが進化する (メディアファクトリー新書)』p41によると、
カミキリムシの♂は、♀が近くにいることを揮発性のフェロモンで感知する。臭いをたどって♀の近くまでやってくると、今度は嗅覚よりも感知能力の低い視覚で、♀に似た色と形をした物体を探すのである。そして♀らしきものを見つけると、最後には触角で相手の体に触れる。体に付着しているコンタクトフェロモンを確認して、相手が自分の遺伝子を残してくれる♀であることを確認し、セックスのため♀の背中の必死にマウントを試みる。
【追記2】
深谷緑『キボシカミキリの配偶行動と生態情報利用、体サイズ』という文献を読んでいたら、興味深いことが書いてありました。
様々なカミキリムシにおいて♂のlicking(口髭で舐める行動)は♀を「なだめる」効果がある とされている。♀が♂の口髭による背面への接触を認識し、拒否的行動を止める ということである。このlicking行動は、♂が接触化学感覚子の密集した口髭で触って♀の体表のコンタクトフェロモン成分を能動的に受容する行動(active sensing)でもあると考えられる。 (岩淵喜久男 編『カミキリムシの生態』 p162より引用)
今回の映像では2匹が激しく動き回るので♂のlicking行動をしっかり観察できませんが、♀がおとなしくなった時には確かに♂の口髭が♀の背中に触れていました。
それでもなぜ♀が交尾拒否行動を続けるのか、スギノアカネトラカミキリでは未解明の要因がありそうです。
昆虫の♀は体が小さい♂を好まないことが多い。カミキリムシにおいても同様である。キボシカミキリの♀は、♂をマウント時に蹴飛ばす、逃走するなど交尾拒否行動を示すことがある。 (同書p171より引用)
VIDEO
2010年6月上旬
山道をオサムシ が足早に横断していました。
口に何かを咥えています。
追いかける私に驚いて獲物を口から離して逃げました(映像なし)。
落とした獲物は芋虫でした(ハバチ類の幼虫? 蛾の幼虫?)。
道端の隙間に必死で隠れようとするオサムシの近くに芋虫を置いてやりました。
しばらくは警戒して動きません。
やがて一匹の働きアリ(種名不詳)が芋虫を見つけて持ち去ろうとします。
電光石火、オサムシは獲物を取り返すとそのまま側溝内の落ち葉の下に隠れました。
虫我像掲示板にてキタアオオサムシ (Carabus insulicola kita ) かもしれないと教えてもらいました。
オサムシの捕食シーンを観察するのはこれが初めてで、なかなか愉快なドラマが見れました♪
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2010年6月上旬
トンボが草の茎に止まって何か獲物を食べていました。
なんとものんびりした奴で、そのまま手掴みで捕まえることができました。
サナエトンボ科かと思って調べても分かりません。
虫我像掲示板にて問い合わせたところ、ムカシヤンマ科ムカシヤンマ (Tanypteryx pryeri )だとご教示頂きました。
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2010年6月上旬
アカツメクサ (=ムラサキツメクサ)の花でモンキチョウ ♂(Colias erate poliographus )が口吻を延ばし蜜を吸っていました。
やがて満足すると飛び去りました。
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2010年6月上旬
ハルジオン の花に止まってウスバシロチョウ (ウスバアゲハ;Parnassius citrinarius ) が蜜を吸っていました。
毛深いので♂かな?
ウスバシロチョウは地理的変異が大きく、日本海側の個体は ご覧のように 黒色部の発達が強く白味が弱いとされています。
マクロレンズで接写中は少しの横風でも大敵です(被写体が激しく揺れてしまう)。
編集時にデジタル処理の手ブレ補正を駆使してなんとか揺れを抑えてみました。
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2010年10月下旬
秋の里山でヨモギの葉裏にナガメ が集まっていました。
ナガメと思ったのは私のひどい勘違いで、おそらくジュウジナガカメムシ()ですね。
ヨモギの群落で隣り合う3本に分散して集結している様子を長目に撮影。
集団の重みで葉が垂れ下がっています。
ナガメ(菜亀)は普段、アブラナ科を食すはずなので、キク科のヨモギは食草ではありません。
集団越冬に備え、集合しているのだろう。
しかし当地は豪雪地帯なので、ここは安全な場所とは言えません。
カメムシの付いた葉を千切り取ると、折り重なるように集まっていた群れが慌てて逃げ出しました。
30匹くらいでしょうか。
特に悪臭などは発しませんでした。
別の葉に止まった集団で繰り返しても同じでした。
集合フェロモンも私の鼻では感じませんでした。
2010年5月上旬
庭で食事中のマミジロハエトリ ♀(Evarcha albaria )を発見。
獲物は既に体液を吸われ丸められていますが、触肢らしきものが見えるのでおそらく他のクモを狩ったと思われます。
撮影後にハエトリグモを一時的に捕獲して腹面に外雌器を確認しました。体長7㎜。
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2010年6月中旬
林道上にミスジチョウ (Neptis philyra )が止まっていました。
翅を開閉しながら日光浴しているのかと思いきや、よく見ると獣糞(下利便?)を吸汁していました。
タヌキの溜め糞にしては量が少ないものの、糞が幾つも並んでいました。
VIDEO
2010年6月中旬
草の葉の上で見つけたヨツボシワシグモ (Kishidaia albimaculata )。
腹部の模様がにっこり笑顔の顔文字みたいです。
笑顔の殺し屋ほど怖いものはありません。
その後逃げられてしまい、未採集・未採寸。
触肢の膨らみは無いので、少なくとも♂成体ではありません。
『クモ生理生態事典 』サイトによると、
本種は「草の間,落葉の中,地表を歩き回るが,ワシグモ科には珍しく葉の上にいることが多い.」
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