2010年6月上旬
梁に並んだキムネクマバチ(Xylocopa appendiculata circumvolans)の巣穴群でこれは最も穿坑の進んだ巣穴です。
入り口から蜂が顔を出して辺りの様子を見張っていました。
巣穴を充分に拡張したようで、中で自由に方向転換できるようになりました。
これまで定点観察してきた隣の巣穴は進展がないので観察対象を切り替えました。
同じ材木でもたまたま材質が固い部分に行き当たり、歯が立たず諦めたのだろうか。
実は先日、穿坑作業中のクマバチに個体識別のマーキングを施そうとしました(映像未公開)。
そのとき逃げられて以来この巣で蜂の姿を見てないので、嫌気がさした(身の危険を感じた)のかもしれません。
≪参考≫
『本能の進化:蜂の比較習性学的研究』 岩田久二雄 眞野書店 p354 より
「クマバチは完成した巣の入口を封じるという習性、すなわち巣蓋は決して造らないのである。このような新しい成蜂の同居巣(それには母蜂もある期間同居する)は、外敵に対して明らかに共同防衛されていて、外から巣壁をたたくと、中の一匹が巣口に近づき腹部の背面で内側から入口を蓋するのが常で、もし指を当てると、それが雌であれば、たちどころに刺されるのである。」 クマバチは年一化性である。
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