2023年9月上旬・午後12:25頃・晴れ
郊外の道端で側溝の中をセイヨウミツバチ(Apis mellifera)のワーカー♀が何匹も飛び回っていました。
コンクリートで三面が固められた側溝の中には浅く水が流れていました。
流水の上を複数のミツバチが低空で飛び回っています。
水路にチョロチョロ流れ込む水音やミンミンゼミ♂が周囲で鳴く声♪が喧しいのですが、耳を澄ますとミツバチがブンブン飛び回る羽音がかすかに聞こえます。
水際の岸壁に着陸するとミツバチは口吻を伸ばし、水で湿った緑のコケを舐めていました。
コンクリート岸壁の隙間に潜り込んで水を飲んでいる個体もいます。
吸水中も激しく腹式呼吸しています。
どの個体も後脚の花粉籠は空荷だったので、蜜源植物で採餌するついでに吸水に立ち寄った訳ではありません。
側溝内であちこち移動して水を飲み続けています。
水を飲んで腹一杯になると、セイヨウミツバチ♀は飛び去りました。
真夏日なので、おそらく帰巣した蜂は巣を冷却するために水を吐き戻し(散水)、扇風行動に従事するのでしょう。
水で濡らした巣に風を送ると、気化熱(蒸発熱)を奪うことで巣を効果的に冷やすことが出来るのです。
関連記事(10年前の撮影)▶ ニホンミツバチ♀の巣を冷やす扇風行動【ハイスピード動画】
ミツバチの集団吸水行動を動画に撮れただけで私は満足してしまい、肝心の気温を測り忘れて画竜点睛を欠きました。
あまりの暑さで私も頭がぼーっとしていた(熱中症気味)ようです。
少なくとも30℃を越えていたのは間違いありません。
側溝内の水質は決してきれいではない点が気がかりです。
下水道がまだ整備されていない地区のようで、近隣住宅から垂れ流される生活排水が側溝にチョロチョロと流れ込んでいたのです。
白い汚濁が常に流れている様子が見えます。
洗剤混じりの汚水なんか味見したただけで臭くて不味いはずなのに、意外にもミツバチは全く気にしていませんでした。
それとも日照り続きで他のきれいな水源が干上がってしまい、仕方なく側溝を流れる汚水を飲んでいるのかもしれません。
今回は巣の冷却水として使うだけだと思いますが、生物濃縮による健康被害が心配になります。
このミツバチの巣箱から採れた蜂蜜はどれぐらい汚染されているでしょう?(知らぬが仏)
側溝の水際に離着陸するセイヨウミツバチ♀を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:14〜)
飲水後に飛び立つと、ホバリング(停空飛翔)しながら濡れた足先を互いに擦り合わせています。(@3:55〜)
肉眼では水面スレスレで飛ぶミツバチの足がときどき着水するように見えました。
しかしスーパースローで見ると、蜂の高速羽ばたきで水面に波紋が広がっているだけだと分かりました。
岸壁で飲水中にうっかり足を滑らせてしまう個体がいました。(@4:43〜)
幸いすぐに自力で岸壁に這い上がり、水路で溺れずに済みました。
最後にセイヨウミツバチ♀同士の興味深いシーンが撮れていました。(@5:08〜)
岸壁で水を飲んでいる個体aに対して、後から飛来した個体bがホバリング(停飛)しながらあまりにも接近するので、嫌がったミツバチaは歩いて離れようとしました。
蜂bが飛び去ると、蜂aはホッとしたように岸壁で向きを変えながら飲水を続けます。
後から飛来した個体bは着陸地点を探していただけだと思うのですが(無神経なトナラー?)、意地悪な嫌がらせ(誰何、牽制、追い払い)のようにも見えました。
異なるコロニーから来たワーカー♀の間で水場をめぐる縄張り争いがあるのでしょうか?
しかし、側溝の岸壁に沿って並ぶミツバチは未だ全然混み合っていないのに、わざわざ占有行動をするのか疑問です。
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