2024年5月中旬・午前11:50頃・晴れ
山道の横で広葉樹幼木の若葉にヤマキヒゲナガ♂(Nemophora japonica)が留まっていました。
翅の金色模様が美しく輝き、非常に細長い触角が春風になびいています。
小さな蛾ですけど、蛾の苦手な方にぜひ一度見て欲しい美麗種の一つです。
日の当たる木の葉(樹種不明)の上で方向転換し、少し歩きました。
なぜかその場で360°ぐるっと向きを変えました。
飛び立つ前に風向きを調べているのかと思ったのですが、飛び立ちません。
日光浴しているのでしょうか?
やがて、その場で身繕いを始めました。
自慢の長い触角を前脚で拭って、きれいに掃除しています。
葉の上からヤマキヒゲナガ♂が飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:17〜)
ところが、待てど暮せど飛んでくれません。
近くで帽子を振り回しても、枝葉を揺らしても、まったく飛び立たないのです。
痺れを切らした私が右手中差し指をゆっくり近づけ、翅の後端にそっと触れると、ようやく慌てて飛び立ちました。
大型の蛾と異なり、小型の蛾は準備運動なしでも飛び立てるのが普通です。
関連記事(12年前の撮影:220fps)▶ ヤマキヒゲナガ♂?(蛾)の飛び立ちハイスピード動画
飛行中は長い触角の空気抵抗が明らかに大きくて、速く飛ぶのは無理そうです。
鳥などの捕食者に襲われた時に明らかに不利だと思うのですが、このような形質がなぜ進化してきたのでしょう?
『日本動物大百科9昆虫II』によると、
ヒゲナガガ類の♂では極端に長くなっていて、前翅長の2〜3倍の長さがある。これは群飛のときバランスをとるのに役立つのかもしれない。(p25より引用)とのことですが、私はヒゲナガガ類の群飛をまだ一度も見たことがありません。
関連記事(後日に撮影)▶ ヤマキヒゲナガ♂の群飛とレック形成【蛾:FHD動画&ハイスピード動画】
木の葉の上で留まり、ぐるっと方向転換したり、飛びたがらなかったりしたことに何か意味があるのでしょうか?
ただの日光浴だったのか、それとも交尾相手の♀を待ち伏せ、縄張りを張っていたのかな?
本種の食草は解明されていないらしく、今回の止まり木の樹種をしっかり調べるべきだったかもしれません。
(ヤマザクラ? キブシ?)
よくあるシナリオとしては、♀が産卵する樹種で♂が待ち伏せして交尾を挑むのかもしれません。
0 件のコメント:
コメントを投稿