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2019/06/23

ツルウメモドキの蔓を折って巣材を集めるハシボソガラス♀♂(野鳥)



2019年4月下旬

農地に隣接した河畔林でハシボソガラスCorvus corone)がニセアカシア(別名ハリエンジュ)の樹上で巣材を集めていました。


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この個体は地上で落枝を拾い集めるのではなく、若葉が芽吹き始めた生木の細い枝や蔓を嘴で折ろうと苦労しています。
細い枝は曲げても良くしなり、なかなか折れません。
ようやく折り取った細い小枝を咥えたまま飛び去り、堤防を越えて行きました。

つがいのもう1羽と思われる別個体がすぐに現れ、同様に巣材集めを始めました。
どうやらニセアカシア本体の枝ではなく、それに巻き付いて育っている蔓植物を嘴で折ろうとしています。
ところが、せっかく苦労して毟り取った小枝(蔓)なのに、何が気に入らないのか捨ててしまいました。
巣材を足元に何本もまとめてから一気に持ち帰る作戦なのか?という私の予想は外れました。
私の視線を嫌ってか、ハシボソガラスは太い幹の陰で作業するようになりました。
しつこい私は撮りながらゆっくり横にずれてアングルを確保します。
ようやく私に対する警戒が薄れたのか、目立つ場所に来て巣材集めしてくれるようになりました。
手頃な長さの蔓を折り取ったのに、もたもたしています。
巣材集め作業の合間にその場で白い糞を排便しました。(@3:56)
折った蔓をその場に残した(忘れた)まま、上の枝に飛び上がりました。
巣材集めというよりも、ただの剪定作業になっています。 
細い蔓1本ではもの足りず、嘴に咥えながら続けてもう一本を採取しようと悪戦苦闘しています。
ようやく2本束ねて咥えても、1本を落としてしまいました。
作業効率が悪くて、見ている私も苛々します。
ようやく飛び立ち、集めた小枝(蔓)を巣に持ち帰りました。

すぐにまたつがいのもう1羽が巣材集めに通って来ました。
私が見ていることに気づくと、気まずそうに作業を止めてしまいます。
もう1羽も戻って来て、パートナーの作業を近くの樹上で見ています。
背後の河畔林でウグイスが鳴いていました♪

この春観察したカラスの行動で一番面白かったです。
確かに野山でこんなに苦労して巣材集めするぐらいなら、住宅地で針金ハンガーを拾い集める方が楽かもしれません。
どうも素人目には、巣材集めの要領が悪くて非効率的なつがいに見えます。
造巣経験の無い繁殖1年目の若いカップル♀♂なのかな?
それとも私にじっと見られていることを意識したカラスがわざと油を売り、もたもたと巣材集めをしていたのかもしれません。
建造中の巣の位置を私に知られたくないので、私が立ち去るのを待っているのでしょうか?
一方、近くの畑で農作業している老夫婦に対しては、カラスは気にしない様子でした。
あるいは、巣の部位や建築段階によって材料を変えているのかもしれません。
仕上げの巣材として編み込むための細くてしなやかな蔓が必要なのでしょうか。

もう一つ別の可能性として、もしかすると営巣地がすぐ近くにあって、卵や雛を守るために私を追い払おうと威嚇しているのかもしれません。
気性の荒いハシブトガラスは枝を折って威嚇することがあります。
その場合、折った枝は下に捨てます。
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しかし今回は穏健なハシボソガラスですし、折り取った蔓を同じ方角に繰り返し持ち去っていることから、巣材集めだろうと判断しました。
威嚇のための枝折りなら、もっと太い枝を折ってポキポキ♪、ポキリ♪と大きな音を立てるはずです。

このつがいは堤防の向こうに巣を作っているようですが、この日は営巣地を突き止められませんでした。

ハシボソガラスが巣材として集めていた蔓植物は、若葉がようやく芽吹き始めたばかりで、名前を調べる特徴が分かりませんでした。
約20日後に現場を再訪し、問題の蔓植物に咲いた雄花からツルウメモドキと確定しました。
花の写真を掲載予定


ハシボソガラス(野鳥)@ニセアカシア樹上+巣材集め:ツルウメモドキ蔓&枝折り
ハシボソガラス(野鳥)@ニセアカシア樹上+巣材集め:ツルウメモドキ蔓&枝折り

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