タペータム(tapetum lucidum)の定義:網膜の後方(脈絡膜や色素上皮の深部)に存在する反射層光が一度網膜を通過し、タペータムで反射されて再び網膜に戻るこれによって視細胞(特に桿体細胞)の光感度が増強されるこれは夜行性動物の典型的な適応機構であり、暗所視力を大きく向上させます。■ 両生類における反射構造の位置と性質● 両生類の目では:網膜より後方にあるタペータム様構造は存在しない(通説)代わりに、網膜の前面側や網膜自体の中にある色素細胞やグリア細胞の配列が、光を乱反射・反射することで、目が「光って見える」ことがありますしかしこれは、光を“増強して戻す”機構ではなく、あくまで副次的な反射つまり、構造の位置と機能が異なるため、「タペータム」とは呼べないのです。■ 例外的な報告の位置づけ一部の研究(例:樹上性カエルの一部種)では、「タペータム様」構造の存在が示唆されたこともありますが、それらも:組織的には網膜の後ろではないか、機能的に反射増幅に寄与している証拠が乏しいため、正式な意味での「タペータム」とは区別されています。
なぜカエルはタペータムを持たず、暗視性能を犠牲にするような進化(網膜の手前の層で光を反射する)をしたのでしょうか?
ChatGPTの回答は、
■ カエルにタペータムがない理由(仮説)
1. 水中生活に適応した視覚系の名残
オタマジャクシ期、カエルの多くは水中生活を送り、そこでは:
光の散乱が強く、タペータムによる再反射は逆に像の解像度を落とす可能性
反射光によって**水中の微細な粒子によるグレア(かすみ)**が生じやすい
➡ 水中視覚においては、むしろタペータムが邪魔になる可能性がある。
また、両生類の祖先は水中生活者であり、視細胞の高感度化よりも、像の明瞭性の維持を優先する視覚設計が選択されてきた可能性があります。
2. 桿体細胞(暗所視用視細胞)の高密度配置で補っている
両生類の網膜には、桿体細胞が非常に多く、高感度です。
タペータムの助けなしでも、十分な暗所視能力を備えている種もいます。
たとえば:
アカガエル属(Rana)などでは、夜間活動をしながらもタペータムなしで獲物を視認できるという実験報告があります。
タペータムによる「光の二重通過」よりも、ノイズの少ない一次通過の方が精度の高い視覚情報を得られるという観点もあります。
3. 夜行性だが夜目はそれほど必要でなかった
一部のカエルは夜間に活動しますが、完全な暗闇ではなく、薄明かりや月明かりがある環境(湿地、林縁など)を選んでいます。
そのような環境下では、タペータムを必要とするほどの光量不足ではないこともあり得ます。
4. 反射による自己露出リスク
タペータムの存在は、目が光る=捕食者に目立つというリスクを伴います。
両生類の多くは小型で捕食されやすく、夜間の視覚よりも被視認性の低下を優先する選択圧が働いた可能性があります。
5. タペータムを進化させる系統的な基盤を欠いていた可能性
タペータムは、哺乳類・爬虫類・魚類の中でも複数系統で独立に進化しています。
両生類(特にカエル)はそのような器官を形成するための細胞系・発生遺伝的基盤を持たなかった可能性があります。
いままで私が書いたカエルの記事を確認して、「カエルのタペータム」という記述があれば訂正しないといけません。
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