2024年5月上旬・午後12:40頃・くもり
里山の中腹にある樹林帯をトラバースする林道に沿って咲いたホウチャクソウの群落で訪花するハナバチ♀を見つけました。
後脚の花粉籠に橙色の花粉を付けて運んでいます。
したがって、ハキリバチ科ではなくミツバチ科の♀です。
過去の観察例ではトラマルハナバチ♀がホウチャクソウに訪花していたのですが、今回のハチはマルハナバチほど毛深くありません。
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ホウチャクソウに忙しなく正当訪花を繰り返し、花蜜を吸っています。
隣に咲いたカキドオシの花には見向きもしません。
採餌の合間にホウチャクソウの白い花筒の開口部にぶら下がったまま身繕いし、体に付着した花粉をまとめて後脚の花粉籠に移しました。
化粧が済むと、再び正当訪花でホウチャクソウの花の奥に潜り込みました。
訪花シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:44〜)
暗くなりますが、固定焦点のスローモーションでじっくり観察できます。
薄暗い林床なのでカメラのAFがなかなか被写体に合焦してくれず、焦りました。
さて、この謎のハナバチの名前は何でしょう?
素人目にはスジボソフトハナバチ♀と似てるかな?とも思ったのですが、スジボソフトハナバチの出現時期は5月下旬からとされています。
2024年の冬は異常な暖冬少雪で、春の訪れも例年より早かったのですが、それにしても山形県の雪国で5月上旬にスジボソフトハナバチを見るのはかなり異例です。
また、スジボソフトハナバチなら胸背の毛色がもっと明るい茶色のはずです。
今回の個体の胸背はもっと暗くて白味がかった黄土色でした。
ツルンとした黒い腹部には白い横縞が3本あります。(腹部上部の4本目は中央で途切れている)
動画だけから蜂を同定するのは難しいです。
私としては、シロスジヒゲナガハナバチ♀(Eucera spurcatipes)やニッポンヒゲナガハナバチ♀(Eucera nipponensis)など、ヒゲナガハナバチ属の一種(Eucera sp.)ではないかと推測しています。
もし間違っていたら、ご指摘願います。
謎のハナバチを同定するためにGoogleレンズ(画像検索)やPerplexity AIを使って問い合わせてみたのですが、マイナーな種類のハナバチではAIが学習するデータがまだ充分に揃っていないという印象です。
その場合はAIの性能の向上を待っていても仕方なくて、日本全国の研究者やナチュラリストが寄って集って粛々と蜂の記録をインターネット上に蓄積するしかありません。
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