2024年5月上旬・午後13:55頃・晴れ
農村部の休耕地でキジ(Phasianus versicolor)の♀♂ペア(1羽ずつ)を見つけて採食シーンを撮り始めたら、私を警戒したのか、歩いてどんどん遠ざかってしまいます。
現場は緩やかな斜面で、画面の手前から奥に向かって登り坂になっています。
つまり、キジ♀♂は山の方へ向かってどんどん逃げています。
初めは色鮮やかな♂が先導して地味な♀がその後ろからついて歩いていたのですが、やがて横に並んで(互いに少し離れて) 歩くようになりました。
キジ♂に注目して撮影していると、斜面の段差をピョンと左上に登った直後に、素早く身を翻して右に飛び立ちました。
まるで三角跳びのような動きで、敵にフェイントをかけたように見えました。
何かに驚いて逃げたようですが、このときキジ♂は飛びながら警戒声を発することはありませんでした。
(風切り音がうるさくて聞き取れなかっただけ?)
カメラを少しズームアウトすると、茶色の地味なキジ♀が奥にある林縁の茂みに飛び込む様子がちらっと写っていました。
このときまで私は気づかなかったのですが、キジは♀♂1羽ずつのペアではなく、近くに別個体の♀が少なくとももう1羽いたようです。
繁殖期に特有のハーレム(一夫多妻の群れ)を形成していたことになります。
このとき私は車道に立ち止まって静かに撮影していただけなので、キジ♀♂の群れをこれほど怖がらせるような動きをした覚えはありません。
キジたちはおそらく、上空に飛来したハシボソガラス(Corvus corone)の群れから避難したようです。
キジに対してモビング(擬攻撃)するカラスを初めて見ました。
猛禽と違ってキジを敵視する意味が私にはさっぱり分からないのですが、カラスの親鳥は繁殖期で気が立っているのでしょう。
カラスの巣が近くにあるはずですが、見つけられませんでした。
カラスは繰り返し舞い戻ってきて、キジが隠れた茂みの上空で威嚇しています。
私はキジの姿を見失ってしまいましたが、ケッケッケッ♪と鋭く警戒声(distress call?)を発していました。
しかし、風切り音がうるさくて動画では聞き取れません。
飛び回るカラスを撮った映像を見返すと、強風に煽られながらウィンドサーフィンの遊びを楽しんでいるようにも見えます。
♀♂ペアと思われるハシボソガラスが嗄れ声で鳴きながら、飛び回っていました。
1羽が奥の樹上に止まりました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
重くて飛ぶのが苦手なキジは、カラスのように強風下でホバリングするなど器用な芸当は到底無理です。
キジは基本的に地上性で、緊急避難時にしか飛びません。
しかも、ほぼ直線的にしか飛べません。
キジは肉食性でもありませんから、高い樹上に作られたカラスの巣をキジが襲って卵や雛を捕食するなどという心配は全く無用です。
カラスにとって鈍臭いキジは縄張りから排除すべき脅威とは思えないのですが、遊び半分でからかっているのかな?
一方、キジの♂がハレムの♀をカラスから守るような行動も見られませんでした。
(カラスと飛翔能力に差がありすぎて、キジ♂としても♀を守りようがない気がします。)
色彩的に目立つキジ♂がわざと敵の目を引いて明後日の方向に飛び去った直後に、地味な♀が最寄りの茂みに飛び込んで隠れたのだとしたら、ちょっと面白いです。
もしかすると、私が気づかなかっただけで、第三の登場動物(イエネコやキツネ、イタチなど)がうろついていたのかもしれません。
野生動物(危険な捕食者)の接近に気づいたキジの群れが慌てて逃げ、カラスの群れも上空から騒ぎ立てたのかもしれません。
オッカムの剃刀の原則に従えば、都合の良い仮定を勝手に増やして仮説を複雑にすべきではないのですが、結構しっくり来る仮説かもしれません。
※ カメラのズームの調子が悪くて何度も再起動を強いられ、断片的な動画の記録になってしまいました。
せっかく面白いシーンだったのに、フラストレーションが溜まります。
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