前回の記事:▶ 秋の山道で出くわしたニホンカモシカを追跡開始
2023年10月下旬・午後14:40頃・くもり
里山の林道を下山するニホンカモシカ(Capricornis crispus)をそっと追いかけてから、続きを撮ります。
(これ以降は立ったままの撮影がメインになります。)
カモシカは林道の右端で振り返ってこちらを見ていました。
警戒を解いて林道をトボトボと歩き始めたので(下山)、私もそのまま追跡を続けます。
後ろ姿の股間に睾丸も陰茎も見えないので、現時点では♀ではないかと思います。
腹面に一対の乳首がちらっと見えたような気もするのですけど(@7:20〜)、カモシカの授乳動画を見ると、乳首の位置はもっと後方にあるはずです。
この個体では真横から乳首が見えないのが謎です。
素人目にはなんとなく、若い個体のような気がしています。
真横から見ると、角がまだ細いです。
やがてカモシカ♀は立ち止まると、林道の右端で道草を食い始めました。(@0:30〜)
手前に生えたススキが邪魔ですが、カモシカ♀が頭を上げたら、ちぎり取った緑の葉が口元に見えました。
採食メニューは広葉樹の幼木の葉のようです。(樹種不明)
カメラ目線のまま、ムシャムシャもぐもぐと咀嚼しています。
顔を振って虫を払ってから、再び頭を下げて幼木の葉を採食しました。
更に右へ移動して林道を横断すると、道端に生えた灌木(樹種不明)の枝葉の匂いを嗅ぎました。(@0:59〜)
続けて、その葉裏に軽く顔を擦り付けて、眼下腺でマーキングしました。
しつこく後をつけてくる私に対して、やんわりと縄張りを主張しているのかもしれません。
向きを変えて林道をどんどん下って行きます。
私が足音を忍ばせてカモシカ♀に追いつくと、今度は反対側の左端で道端の下草を食べていました。(@1:27〜)
いくら目を凝らしても、股間に♂の外性器が見えません。
映像では採食メニューが不明です。
少なくとも、ススキの葉は食べていませんでした。
ニホンカモシカは木の葉を食べる草食獣(browser)というイメージでしたけど、この時期になると下草に切り替える(grazer)ようです。
落葉前の秋の木の葉はきっと不味くて栄養価が低いのでしょう。
ときどき振り返って、ちらっとこちらを見るものの、あまり気にせず採食に夢中です。
食餌の合間に顔を上げると、根元からむしり取った草が口元にぶら下がっていました。(@4:30〜)
草の根っこも一緒に食べるかと興味深く見守っていたら、(意図的に?)落としてしまいました。
また林道を歩いて下り、曲がり角の死角に消えました。
追いついた私が撮影を再開すると、カモシカ♀は林道右端の道端で採食していました。(@5:07〜)
手前に生えたタニウツギの茂みが邪魔でカモシカの顔が見えません。
つまり、カモシカは顔だけを隠した状態です。
カモシカに限らず野生動物は、自分の顔を隠して視界を遮れば怖い相手(私)から全身が隠れてると思っている節があります。
「頭隠して尻隠さず」とは良く言ったものです。
ヒトの幼児も隠れんぼ遊びをすると同じ過ちを犯しますから、自分が他者の視線から隠れているかどうか客観的に(俯瞰で)知るためには、高度な知能の発達が必要なのです。
カモシカの警戒心を和らげるために、私は動画を撮りながらその場に座り込んで、撮影姿勢を低くしました。
カモシカ♀は口をもぐもぐ咀嚼しながら、私の様子を不思議そうに見ていました。
道端で灌木の葉を食べていますが、樹種は不明です。
やがてカモシカ♀は茂みの横から顔を出して、私の様子を窺っています。
はい、ひょっこりはん♪
鼻孔を広げて、私の匂いを嗅ぎ取ろうとしています。
耳を頻りにプルプル震わせているのは、しつこいヤブ蚊などの吸血性昆虫を追い払っているのでしょう。
警戒を解くと、灌木の葉を再び食べ始めました。
この間、私に対して鼻息を荒らげて威嚇することは一度もありませんでした。
最後は、1/5倍速のスローモーションで今回の動画のハイライトを振り返ります。(@7:13〜)
カモシカの採食メニューが映像から分かる人がいらっしゃいましたら、教えていただけると助かります。
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