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2024/08/28

晩秋に丸々と太ったニホンアナグマの幼獣同士が未明の営巣地で格闘遊び【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬

シーン1:11/8・午前3:34・気温11℃(@0:00〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)で、未明に2頭のアナグマa,bが頭を突き合わせるように向き合っていました。 
本格的な兄弟喧嘩ではなく、格闘遊びではしゃぎ回っているだけでした。 
冬越しに備えて丸々と肥えていますが、おそらく幼獣なのでしょう。(天高く穴熊肥ゆる秋)

1頭aが巣穴Rに入ると、3頭目cが右から登場しました。 
セットで対峙したb,cは突進してすれ違い、軽い格闘遊びが勃発しました。 
すぐに休戦して近寄ると、互いに肛門の匂いを嗅ぎ、相互毛繕いを始めました。 
入巣Rする個体bの肛門の匂いを、巣外に最後まで残った個体cが嗅いでいます。 
アナグマは肛門腺や臭腺で匂い付けしたり互いに個体識別していると考えられています。 
嗅覚によるコミュニケーションは、巣穴の中や夜の森など暗闇でこそ有効になります。
この点はアリと共通していて、興味深い収斂進化です。

行動がいかにも幼いので、今年ここで生まれた幼獣4頭のうちの3頭が大きく育ったのでしょう。 
観察歴の浅い私には、もはや外見で成獣との区別が付きません。 
母親♀は赤外線の暗視映像で見たときに左右の目の大きさが異なる(右目<左目)という分かりやすい特徴があるのですが、今回登場したアナグマは全て目の大きさが同じでした。
これから幼獣が格闘遊びや追いかけっこ遊びをしなくなったら、いよいよ私には成獣と見分けられなくなるでしょう。 


シーン2:11/8・午前3:40(@1:00〜) 
小雨が降っています。 
奥の二次林内で2頭のアナグマ(幼獣)が採餌しています。 
しばらくすると、画面の左下隅から別個体(3頭目)がノソノソと歩いて登場しました。(@1:45〜) 
セットで2頭が向かい合って対峙すると、軽い格闘遊びが勃発しました。 
深刻な縄張り争いではなさそうです。 


シーン3:11/8・午前3:40(@2:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
強い秋風が吹き荒れ、カメラを固定したミズキ立木が大きく揺れています。 
2頭の幼獣による格闘遊びが繰り広げられていますが、その間に鳴き声は聞き取れませんでした。 

左の死角に移動しても、踏まれた落枝が動くことで、アナグマの動きを推測できます。 
最後は左から来た1頭のアナグマが、獣道を辿って右へ向かいました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


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