2023年8月上旬・午後12:25頃・くもり
平地のスギ林でムラサキトビケラ(Eubasilissa regina)が幹に下向きで止まっていました。
徘徊するクロアリ(種名不詳)に足先を噛まれたのか、ピクッと動きました。
私が広角で動画を撮りながら歩いて近づくと、ムラサキトビケラは幹の上で少し歩いて移動しました。
焦げ茶色で黒い斑点が散りばめられている前翅は地味ですが、周囲のスギの樹皮よりも色が濃くて保護色にはなっていません。
カモフラージュ作戦がばれた!と悟ったムラサキトビケラは、自発的に飛び立ちました。
ひらひらと羽ばたいて飛び去り、少し離れた若いスギの幹に止まり直しました。
今回も幹に対してまっすぐ下を向いて止まっています。
私がしつこく追いかけて近づいたら、慌てて飛び降りて逃げました。
しばらく飛び回ってから、同じ杉の木に止まり直すこともありました。
林床の落ち葉には着陸せず、必ず杉の幹に止まります。
いつも必ず幹に対して頭を下に向けて垂直に止まります。
飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:04〜)
羽ばたくと後翅が美しい紫色で、鮮やかな黄色の帯が目立ちます。
私がなぜしつこく追い回して飛翔シーンを撮ったかというと、後翅を見たかったからです。
後翅の斑紋からゴマフトビケラなどではなく、ムラサキトビケラと分かります。
本当は羽ばたく様子をハイスピード動画で撮りたかったのですけど、あまりにも暗すぎて(光量不足)無理でした。
後半はカメラの設定で明るさを最大に上げてから撮影したので、色調がおかしいです。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
関連記事(8年前の撮影):▶ 夜のムラサキトビケラと美しい後翅
夜にライトで照らしながら、飛ぶシーンを少しだけ撮りました。
本種の成虫はよく樹液酒場に集まるらしいのですが、私はまだ実際に樹液の吸汁シーンを見たことはありません。
今回もまさか針葉樹の樹液を目当てにスギ林に来ていたのではないはずです。
(ムラサキトビケラは)幼虫期を流水中で過ごすため、近くに流れのない場所では樹液で見られる可能性は低い。(森上信夫『樹液に集まる昆虫ハンドブック』p70より引用)
しかし灌漑のための水路なので、1年中は流れておらず、春から秋(晩夏?)にかけてしか水が流れていません。
そのような環境でムラサキトビケラの幼虫が素早く育って成虫が羽化できるのかどうか、水生昆虫の生活史に疎い私は分かりません。
(当地は雪国ですし、幼虫期に2年以上かかるのでは?)
もう少し遠い地点で羽化した個体がたまたまスギ防風林に飛来して休んでいただけかもしれません。
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