2023年7月下旬・午前0:30頃・気温20℃
ニホンアナグマ(Meles anakuma)
シーン0:7/13・午後13:30頃・晴れ・気温37℃?(@0:00〜)
シーン1:7/13・午後16:30頃・くもり(@0:04〜)
明るい昼間の時間帯にたまたま撮れた現場の様子です。
シーン2:7/22・午前0:28(@0:07〜)
巣口RLの周辺を2頭の幼獣がうろついています。
何かに驚いたのか、1頭の幼獣が左から慌てて巣内Rに駆け戻りました。(@0:35〜)
しばらくすると、左から成獣2頭と幼獣3頭の群れが一緒にやって来ました。
母親♀は横から見れば腹面に乳房や乳首があるので見分けられます。
ヘルパー♂(1歳仔♂)も母子と一緒に採食行動しているのはとても珍しく、私は初めて見ました。
久しぶりにニホンアナグマの家族が勢揃いで、生まれ育った旧営巣地に戻ってきたことになります。
♀は巣穴Rに入りました。
シーン3:7/22・午前0:28(@1:07〜)
別アングルで設置した新機種のトレイルカメラでもほぼ同時に撮れていて、前後のストーリーを補完することができました。
幼獣aが巣口Lを覗き込み、匂いを嗅いで点検しています。
幼獣bが奥で佇み、右奥の獣道の方を見ています。
その視線の先から複数個体の白く光る目がセットに近づいて来ます。
それに気づくと、先着していた幼獣2頭は急に警戒し、各々が慌てて巣口L、Rに駆け込んで避難しました。
ナグマ家族の後続部隊が獣道を辿って右奥から登場。
ヘルパー♂、♀(右目<左目)、幼獣cdの順で縦列になって来ました。
体格は、ヘルパー>♀>幼獣でした。
そのまま巣口Rの方へ向かいました。
巣穴Lに避難していた幼獣aも外に出て仲間を追って慌てて左へ。
シーン4:7/22・午前0:29(@1:50〜)
セットから右へ立ち去る個体と入れ替わるように、別個体が巣穴Rに入りました。
しばらくすると、その巣穴Rから母親♀と幼獣1頭が外に出てきました。
右から戻ってきたヘルパー♂および幼獣1頭が♀を出迎え、すれ違いました。
家族全員でセットの右に立ち去りました。
探餌徘徊の途中で旧営巣地に立ち寄っただけだと判明しました。
これまでの観察から、当地のアナグマは「ヘルパー♂が母子の採食行動に付き添うことはない」と私は思い込んでいたのですが、今回の映像であっさり裏切られました。
鈴木欣司『アナグマ・ファミリーの1年』などの本で、♂も♀も幼獣もヘルパーも一緒に餌場に現れるという記述を読んでも、餌付け(人工給餌)という不自然な条件下で見られる現象に過ぎないのでは?と冷ややかに受け止めていました。
(たとえ私が餌付けをしなくても、誰か近隣住民がかわいいアナグマたちに餌付けを始めた可能性も否定できません。)
私もフィールドにもっと多数の監視カメラを密に設置すれば、アナグマ家族の行動がより深く理解できそうです。
アナグマ家族の転出先の巣穴を探すのが最重要課題です。
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