2023年7月中旬・午前11:45頃・晴れ
物置小屋の軒先に営巣したコガタスズメバチ(Vespa analis insularis)のコロニーを定点観察しています。
前回と比べて巣の形状ががらっと様変わりしていました。
外皮が少し大きく成長して、球形というよりも、やや滴状の形になりました。
初ワーカー♀が羽化したので、初期巣に特有の煙突状の細長い巣口は完全に撤去されていました。
この撤去作業を観察・撮影するのが私のミッシング・リンクになっているのですが、残念ながら今季も見逃してしまいました。
新たな巣口として、外皮の底部の側面に丸くて大きな穴が開いていました。
巣口が大きいので中の様子が結構よく見えます。
中から外をじっと見張っている大型の個体は創設女王です。
巣内で少なくとももう1匹の内役ワーカーが動き回っていました。
巣口に顔を出したものの、飛び立って外役に出かけませんでした。
巣盤の育房の一部は白い繭のキャップで覆われています。
(繭の中で蛹が育っています。)
巣口の縁から外皮に乗り出した門衛♀が単独で扇風行動をしていました。
巣内の気温が高くなり過ぎると幼虫や蛹の発生に悪影響を及ぼすので、巣内に冷風を送り込んでいるのです。
コガタスズメバチの巣口がこんなに大きな例を私は初めて見たかもしれません。
特に暑い日には巣内に熱気がこもらないように、臨機応変に巣口をかじり取って大きく広げるのかもしれません。
後で巣口を狭くするのもスズメバチにとっては朝飯前です。
扇風行動をストロボ写真で記録する際に、羽ばたきが止まって見えるようにもっとシャッタースピードを上げるべきでした。
ハイスピード動画でも扇風行動を撮りたかったです。
しかし現場に長居していると、近所の人に怪しまれてしまいます。
せっかく人通りのない時間帯を狙って来たのに、コガタスズメバチの巣の存在を気づかれたら最後、大騒ぎになり駆除されてしまうでしょう。
手早く撮影を済ませ、そそくさと現場から立ち去りました。
とにかく焦っていた私は、肝心の気温を計るのも忘れてしまいました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
つづく→?
残念ながら、定点観察できたのはこの日が最後でした。
予想通り、ここでもコガタスズメバチの巣は丸ごと駆除されてしまいました。
スズメバチにとっても蜂好きにとっても、受難の時代が続きます。
各種スズメバチの生活史を撮影するプロジェクトが遅々として進まないのは、定点観察の途中で巣が駆除されてしまうからです。
人目を忍んで細心の注意を払ってコソコソ通わないとスズメバチの観察ができないのは、ストレスでもあり、情けなくなります。
コガタスズメバチは攻撃性が高くないので、蜂を刺激しなければ、専用の防護服も着用しないで普通に撮影することが可能です。
(黒い服を着るのは避け、黒髪を帽子で覆い、香水や整髪料は使わないなど、服装には注意が必要です)
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