2023年5月上旬・午後18:10頃(日の入り時刻は午後18:40)
日没の30分前にニホンアナグマ♀(Meles anakuma)が営巣地(セット)の奥の二次林に入って行く後ろ姿が撮れていました。
林内で立ち止まって何をしているのかと思いきや、林床の落ち葉を掻き集めているようです。
落ち葉だけでなく周囲の低木から若葉も毟り取り、一緒にまとめています。
両手で巣材を抱えてピョンピョン後退しながら、巣穴へと運んで行きます。
自動センサーカメラが次に起動したときには、アナグマ♀が集めた巣材を両手に抱えたまま、右手前の巣口Rまで帰って来ていました。
そのまま巣口Rの左側の穴に後ろ向きで入りました。
巣内で育つ赤ちゃんのために新鮮な寝床が必要になったのでしょう。
巣内で寝床を整えるとと、♀が再び巣口Rから外に出て来ました。
身震いしてから広場と巣口Lを経由して左へ歩き去りました。
私が新しい藁を与えたときもそうだったのですが、アナグマ♀は巣材集めを連続してやることはないようです。
重労働で疲れてしまうのかな?
この個体は体つきからして♀タイプなのですけど、ヘルパー(若い♂)かもしれません。
赤外線の暗視モードに切り替わらないと、左右の目の大きさでしっかり個体識別できません。
明るい時間帯は黒い過眼線で小さな目がほとんど隠れてしまっているのです。
まだ観察例が少ないのですが、今のところ、巣材を集めるのはいつも夜ではなく未だ明るい夕方の時間帯です。
これはアナグマの決まったルーチンなのでしょうか。
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アナグマが定期的に落ち葉掻きをするために、営巣地(セット)の周辺だけ林床の落ち葉がきれいに無くなっていて地面が露出しています。
自然林でこの状況は不自然なので、フィールドでアナグマの営巣地を探すときの手かがりになりそうです。
落ち葉(枯葉)だけでなく緑の木の葉も集めていたのが興味深く思いました。
質より量を確保するためにやったのでしょうか?
虫よけの薬効とかアロマ成分が含まれている特定の植物の生葉を選んで採集しているとしたら、とても面白い行動です。
それを調べるためにはまず、巣穴から寝床の巣材を採集して、使われている植物を同定しないといけません。
例えば巣穴の周囲に自生しているマルバゴマキという灌木は、漢字名「丸葉胡麻木」が示す通り、葉をちぎると本当に香ばしいゴマの香りがします。
アナグマにもこの芳香はリラックス効果があったりするのかな?
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
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