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2021/09/19

タカ型の鳥追いカイトがバス会社の車庫に設置された訳とは?【鳥害・糞害対策】

 

2021年7月上旬・午後16:00頃・晴れ 

バス会社の駐車場に隣接する整備工場の天井からタカ型の鳥追いカイト(凧)が2つ吊り下げられていて、風に揺れていました。 
この車庫は見るからに、ツバメHirundo rustica)の親鳥が巣作りするのに絶好の場所です。 
せっかく洗車したバスの車体がツバメの糞で汚されると大問題なのでしょう。 
ツバメの親鳥が車庫に出入りして営巣しないように、鳥が怖がる凧を設置したのだと推察しました。 

逆さまに吊り下げられた凧は、振り子のようにブラブラ揺れているだけです。 
メーカーが想定したような、鷹が風を乗って飛ぶ様子を模した動きをしていません。 
ただのモビール・アートです。 
毎年利用していた営巣地の天井に見慣れない障害物がぶら下がっているだけで、ツバメは嫌がって営巣を諦めるのかな? 
果たして長期的な防鳥効果はあったのでしょうか? 
このとき別の用事で急いでいた私は、バス会社の関係者に取材できませんでした。 
私が通りすがりにちょっと見た限りでは、車庫に出入りするツバメは1羽もいませんでした。 
凧(カイト)はただの虚仮威しだとツバメにバレたり慣れが生じたりすると、また別タイプの鳥よけグッズに交換しないといけません。 
ツバメの繁殖期(特に造巣期)をなんとかしのげれば、それで充分なのでしょう。 

田畑や果樹園などで農作物を野鳥の食害から守る鳥よけグッズとしてホーク・カイト(イーグル・カイト)は最近すっかり普及しました。 
鳥の糞害対策としても利用されているのですね。 
人通りの多い駅や商店街などでもツバメはよく巣を作ります。 
客商売の場所でツバメが巣を架けたりすると、毎日の糞掃除や糞対策が大変になります。 
忙しくて余裕が無くなり潔癖症になった最近の日本人は糞害を嫌ってツバメの巣をすぐに撤去してしまいますから、ツバメの住宅難は深刻です。
関連記事▶ 雛が巣立った空巣の横で休むツバメ親鳥(野鳥)
どうにかツバメの糞が下に落ちないように全て受け止めてきれいに回収できるようにツバメ専用の巣箱をデザインできれば、ヒトもツバメもお互いにウィン・ウィンになるはずです。 
鳥の糞を集めると質の良い肥料になりますし、ツバメの親鳥は営巣地周辺の害虫をたくさん食べてくれます。 
しかし言うは易しで、例えば今回のバス整備工場でツバメと共存しようとすれば、天井の下に巨大なシート(タープ)を張りめぐらせる必要がありそうです。 
誰か革新的な発明家の登場が望まれます。

発想を変えて、家屋よりも糞害の迷惑になりにくい河原の橋桁などで巣作りするようにツバメを誘導できれば良いのかもしれません。
ツバメがヒトの暮らしの近くで巣作りするのは、カラスやネコなどの怖い天敵から大切な卵や雛を守るためです。
ひと気がない場所でも何かしらの天敵対策をしてあげて安全になれば、ツバメはそっちで営巣してくれるようになるかもしれない、というアイデアはどうでしょう?

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