1週間ぶり(前回から7日後)に様子を見に来ました。
蒸し暑いくもり空の夜で、月齢は3.0(ほぼ新月)。
この日も樹洞の外から見る限りひっそりと寝静まっていて、夜中に外役活動したり巣門を守ったりするワーカー♀の姿は1匹もありませんでした。
樹洞入り口の上部を塞いでいた外皮がほぼ完全に破壊されていました。
蜂嫌いの誰か(ヒト)に壊されてしまったのかと心配になるのですが、必ずしもそうとは決めつけられません。
居候のゴキブリやワラジムシに食害されたかもしれませんし、通気性を良くするためにモンスズメバチ(Vespa crabro)のワーカー♀が自発的に取り壊した可能性も考えられます。
微速度撮影の監視カメラを設置しておけば一部始終を記録できたはずです。
しかし、そうすると今度は高価なカメラを盗まれたり蜂の巣の存在が逆に目立ってしまう心配があって、二の足を踏んでしまいました。
あまり欲張らずに出来る範囲で少しずつ観察を積み上げるしかありません。
赤外線の暗視カメラで樹洞内を撮影すると、モンスズメバチのコロニーは未だ駆除を免れていて一安心。
巣盤を上から覆う外皮が前回よりも更に下方へ発達しており、底だけが狭い巣口として丸く開口していました。
これがモンスズメバチの巣の特徴で、球状の外被が完全に巣盤を覆い尽くすことはありません。
巣盤がほとんど外被で隠されてしまいましたが、唯一見える巣盤中央部の育房は老熟幼虫が営繭した後で、繭キャップで塞がれていました。
スズメバチの繭キャップは、可視光で見れば白いはずです。
この繭内で育つ蛹はおそらく雄蜂♂であることが後に判明します。
巣内では警戒したワーカー♀が走り回っていました。
1匹の蜂が巣口から外皮の外側に出てきたので、樹洞内に侵入したカメラを襲いに飛び出してくるかと緊張したものの、すぐに巣内に戻りました。
しばらくすると、再び1匹のワーカー♀が巣口から外皮の外側に出て来ました。(@2:15)
外皮上をパトロールしながら興奮したように少し羽ばたきました。
外皮のすぐ外側(時計盤に見立てた時に11時の位置)でゴキブリらしき長い触角が動いていたのですが、モンスズメバチ♀はその居候を追い払ったようです。
巣内に戻ったり、再び外被上をパトロールしたり忙しなく夜警しています。
前回と同様に赤外線式のデジタル温度計で巣内温度を測定すると(映像は割愛)、巣盤を覆う外皮の表面は25.2℃、樹洞内部の表面は25.1℃、樹洞の外側の表面は24.8℃でした。
一方、別の温度計で営巣木付近の外気温を測ると、26.3℃で湿度は71%。
樹洞内はモンスズメバチ・コロニーや居候たちの呼吸熱が篭っていて外気温よりも少し暖かいのかと思いきや、どういう訳か逆に少しひんやりしていました。(誤差の範囲内?)
今思うと、どうせなら育房内の繭キャップの表面温度も測るべきでしたね。
つづく→#10:モンスズメバチの巣の定点観察と温度測定【暗視映像】
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