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2020/06/21

川面でオナガガモ♀を囲い込んで求愛する♂の群れ(冬の野鳥)その2:喧嘩に負けた♂が♀に八つ当たり



2020年1月上旬・午後15:15頃


▼前回の記事
川面でオナガガモ♀を囲い込んで求愛する♂の群れ(冬の野鳥)その1:♂同士の喧嘩

冬の川面で1羽のオナガガモ♀(Anas acuta)を7羽の♂が囲い込んで婚活(求愛)しています。

♀を先導するように一番近く(♀の眼の前)に居た♂aが左前のライバル♂bを嘴でつついて追い払いました。
やられた♂b個体が一旦離れてから戻って来ると、驚いたことになぜか♀に向かって突進し、嘴で攻撃しました。
喧嘩に負けた弱い♂の八つ当たりにしか見えないのですが、♂から♀に対するこれほど本気の攻撃は初見です。
♂bに激しくつつかれた♀は慌てて水面から飛び去りました。

逃げた♀を追うように、♂の群れも続けて一斉に飛び立ちます。
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、更に驚きの行動が記録されていました。
追いかけてきた劣位♂bが♀を追い越す際に、隣で飛ぶ♀を嘴でつつこうとしたのです。
かなり♀を恨んでいる(根に持っている)様子です。
劣位♂bは他の♂とは異なり、嘴を半開きで飛んでいました。
鳴いてるのかもしれませんが、周囲のオナガガモ大群の喧騒に掻き消されて、私には聞き取れませんでした。

逃げた♀は少し飛んだだけですぐに同じ川へ着水し、♂による求愛の囲い込みが再開されます。
もしも場所を変えれば♀を取り囲む♂同士の順位(どれぐらい♀に近づけるか)もご破算になるのだとしたら、劣位♂にも再びチャンスが巡ってきますから、わざと♀を飛び立たせたのも作戦なのだろうと納得できます。
もう一つの可能性は、♂bと♀が元々仲が良くてつがい形成しそうだったのに、急に♀が他の魅力的な♂に乗り換えようとしたので、♂bが怒ってしまったのかもしれません。

それとも選り好みの激しい♀が♂同士を長々と競わせるので、いい加減早く相手を決めてくれよ…と♀に苛立ったのでしょうか。
そんなことをあれこれ妄想するほど、非常に興味深い事件でした。



つづく→川面でオナガガモ♀を囲い込んで求愛する♂の群れ(冬の野鳥)その3:少数♂による囲い込みの例

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