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2016/11/13
ケヤキ並木に塒入りするスズメ(野鳥)の群れ
2016年7月下旬・午後18:26〜18:57
ムクドリの大群を追いかけて塒入りを観察していると、面白いことに気づきました。
前の晩にムクドリが塒入りした同じケヤキ並木に、この日はスズメ(Passer montanus)の群れが就塒したのです。
葉の生い茂ったケヤキの樹冠にスズメが数羽ずつ飛び込んだ後も、しばらくは賑やかに鳴きながら枝から枝へ飛んで移動しています。
背後でハシボソガラスが鳴いています。
ちなみに、この日の公式な日の入り時刻は午後18:49。
一方、少し遅れて飛来したムクドリの大群は運動場の反対側にあるヒマラヤスギの並木に塒入りしました。(→関連記事)
ここで幾つか不思議に思うことがありました。
第一の疑問は、前の晩に使った塒からスズメをムクドリが追い払わなかったことです。
一説によるとムクドリの大群が夕方に飛び回る就塒前群飛は塒の周辺から天敵を追い払う威嚇の効果があるらしいのに、先客のスズメは全く動じずにケヤキ並木を占領していました。
体格でもムクドリが大きいですし、群れの数でもムクドリがスズメを圧倒しています。
それなのにムクドリは実力行使せず、まるでスズメに遠慮したかのように集団塒を臨機応変に変更したのが興味深く思いました。
鳥の世界で集団塒の占有権は単純に早い者勝ちなのかな?
あるいは次のような少し込み入った仮説も考えられます。
安全性などを総合した塒の価値としての順位はケヤキ<ヒマラヤスギで、前日の晩は例えばカラスがヒマラヤスギを占領した(←この点は未確認)ためにムクドリは仕方なく次善のケヤキを選んだ。
強さの序列はスズメ<ムクドリ<カラスと仮定しても不自然ではないでしょう。
翌日はカラスがどこかへ行ったのでムクドリが安心してヒマラヤスギに就塒することができて、空いたケヤキ並木に弱いスズメが塒入りした、と考えれば一応矛盾なく説明できます。
もしかするとスズメの存在はあまり関係なくて、ムクドリの集団塒は毎晩偶発的に決まるのでしょうか?
ムクドリは必ずしも毎晩同じ塒を使わないようです。
まさか大群で飛びながらリーダー格の個体による「鶴の一声」で群れの意思決定がなされるとは思えません。
第二の疑問は、なぜスズメとムクドリは同じ集団塒で混群になろうとしないのですかね?
塒内での位置を上手く棲み分けできれば、夜間に天敵を発見する探知能力が増すと思うのですが。
更に毎晩継続してムクドリの集団就塒を観察すれば何か分かったかもしれません。
しかし私も忙しくなり、この件はひとまず打ち切りました。
秋になってから観察を再開します。
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