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2012/12/31

ススキの穂を食すイブキヒメギス♀



2012年9月下旬

イブキヒメギス♀(? Eobiana japonica)がクズの葉に乗り、何かを食べていました。
てっきり虫の死骸かと思いきや、近づいてよく見るとススキの穂先でした。

栄養豊富な種子を食しているのでしょう。
引きの絵にすると横にススキが生えているのが分かると思います。
珍しく写真を優先したら、動画ではすぐに食べ終わってしまいました。


前回はサワガニの蟹味噌を食べていたので、やはりイブキヒメギスは雑食性ですね。


全景


イチモンジセセリがカワミドリに訪花吸蜜



2012年9月下旬

道端のカワミドリ群落でセセリチョウが訪花していました。

口吻をのばして花蜜を吸っています。
あまり自信がないのですけど、これもイチモンジセセリですよね?







ヤブガラシに訪花するコガタスズメバチ♀【ハイスピード動画&HD動画】



2012年9月下旬

ヤブガラシの花でコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が何匹も吸蜜していました。
花から離着陸を繰り返す勇姿を220-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。





通常のHD動画でも撮ってみました。


顔写真が上手く撮れず、識別点である頭楯下の突起がはっきり数えられないのですけど、もしかしてオオスズメバチだったりして…?






2012/12/30

野菊の花を食すアシグロツユムシ♀



2012年9月下旬

道端に咲いた野菊の群落でアシグロツユムシPhaneroptera nigroantennata)が食事中でした。
産卵管をもつので成虫の♀です。
長い脚で花から花へゆっくり歩いて移動すると、花の中央に口を付けています。
花弁ではなく中央の黄色い花粉を食べているようです。
アシグロツユムシの口器は「噛む口器」ですけど、花蜜を舐めているのかもしれません。

『虫たちのふしぎ』p18 によると、アシグロツユムシは「花びらや花粉が大好き!」らしい。
私は初めて見ました♪




どなたかこの野菊の花の和名をご存じの方は教えて下さい。





エントツドロバチ♀がアキノキリンソウに訪花吸蜜



2012年9月下旬

民家の横に咲いたアキノキリンソウエントツドロバチ♀(Orancistrocerus drewseni)が訪花していました。





カタグロチビドロバチ♀の営巣(その4:獲物の搬入ハイスピード動画&HD動画)



2012年9月中旬

丸太の既存孔(4×3mm)に営巣するカタグロチビドロバチ♀(Stenodynerus chinensis)の定点観察

この日も巣穴にせっせと芋虫を搬入する瞬間を220 fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
何度も失敗をしつつも場数を踏むごとに上手く撮れるようになってきました♪
獲物を空輸(空中輸送)して帰巣する際、少し迷って隣の節穴に入ろうとする時があるのですが、画角の狭いマクロレンズでは撮れていません。
側面から接写できた回では、干からびたような貧弱な獲物を抱えていました。
(元々こういう種類の芋虫である可能性も無くはないですけど…。)
外出の際、定位飛行することもありました。
帰巣間隔が長くなってきている印象です。
搬入する芋虫の栄養状態が悪い(死にかけ?)ように見える点と考え合わせると、最近の日照りで辺りの植物が枯れ、狩場に獲物(蛾の幼虫)が少なくなってきているのでは?などと想像します。

同じ日に1回だけ通常のHD動画でも撮ってみました。
毒針による麻酔が浅いようで、芋虫が暴れています。





貯食に続く工程として、育房の隔壁や巣口を巣材で埋める様子を見届けたくて定点観察に通いました。


『狩蜂生態図鑑』p82によると、本種は既存坑を泥で仕切るらしい。
ところがこの日を最後に蜂の姿が見られなくなり、巣穴も開いたままでした。
理由は分かりませんが、営巣を中断したのか母蜂が死亡したようです。
おそらく後半は育房に一括給餌する獲物が不足しており、営巣完了する前に寿命が尽きたのではないかと思います。
営巣を完了したら丸太を採集して、彫刻刀などで削って中の様子を調べたり蜂の子を飼育してみよう、などと計画していのに当てが外れました。
来年も観察したいので(持続可能な定点観察)、今季は採集せず丸太の巣はそのまま残しておくことにしました。


シリーズ完。

2012/12/29

キイチゴの葉裏に産卵するセスジスカシバ♀(蛾)



2012年9月下旬

キイロスズメバチにそっくりのセスジスカシバ♀(Pennisetia fixseni fixseni)が道端に生い茂ったキイチゴの群落で飛び回っています。

本種の幼虫の食草は「バラ科:クマイチゴ、モミジイチゴ、ウラジロイチゴ」とされています。
ホバリング飛行で見定めた食草に着陸すると、♀は必ず葉の縁にお尻を向けて止まり葉裏に産卵します。
同一個体を追いかけて撮りました。









同じ日に撮った別個体の♀です。
キイチゴの葉表に止まって羽ばたきながら腹端を葉裏に擦りつけていました。
(実際の産卵シーンは撮れてないかもしれません。)
蛾が飛び去った後で、葉や茎に生えた鋭い棘の痛みを我慢しながら蛾が止まっていた葉っぱをめくってみました。
案の定、葉裏の縁に茶色(赤紫色?)の卵が1粒見つかりました。
その場で採寸してみると、楕円形をした卵の長径1.5mmは短径1mm。


この2頭の観察結果をつなぎ合わせると、食草の葉裏に卵を一個ずつ産み付けて回るようです。
次に機会があれば幼虫を飼育してみようと思います。



葉裏の上の方の縁に卵が1粒



敵(アリ&コモリグモ)から逃げるマミジロハエトリ♂【ハイスピード動画】



2012年9月中旬

庭を徘徊・跳躍するマミジロハエトリ♂(Evarcha albaria)をハイスピード動画に撮っていると、クロアリが繰り返し近寄って来ました。
もしかしたら狩りの瞬間が撮れるかな?と期待したものの、ハエトリグモがアリに飛びかかることはありませんでした。
マミジロハエトリの眼下をアリが通ると、明らかにクモは気づいているようですが襲わず見守るだけです。
アリの方から急接近すると向き直って威嚇姿勢を取り、最後は飛んで逃げました。
どうも力関係はアリ>マミジロハエトリ♂のようです。

最後に朽木の上を徘徊するシーンを撮っていたら、前方で潜んでいたコモリグモの一種(種名不詳)が突然襲いかかってきました。
マミジロハエトリは後方に飛び退り、間一髪で虎口を逃れました。
スリル満点!
食うか食われるかの厳しい世界ですから、ハエトリグモの動体視力と反射神経は凄いですね!


2012/12/28

ドクダミの花で回転集粉するオオマルハナバチ♀



2012年7月下旬

スギ植林の暗い林床に咲いたドクダミの群落でオオマルハナバチのワーカー♀が訪花していました。
蜂が花序を抱くように体をカールさせ、そのまま回ることで腹面に花粉を付着させるのです。
回転
集粉と呼ばれる独特の動きで、見るからに効率の良さそうな方法ですね。
回転の向きは右回りだったり左回りだったり、毎回まちまちです。
後脚の花粉籠には白い花粉団子が付いています。

いったん腹面の体毛で集粉してから身繕いで花粉籠に移します。

同じ日に別の場所で撮ったフタガタハラブトハナアブ♂もドクダミの花で同様に回転しながら採餌していたので驚きました。
ベーツ擬態をしているフタガタハラブトハナアブのモデルはオオマルハナバチではないかと思うのですが、まさか採餌行動まで似ているとは!

関連記事→「ドクダミの花を舐めるフタガタハラブトハナアブ♂

ちなみに回転集粉とは『日本の真社会性ハチ:全種・全亜種生態図鑑』で使われていた用語です。




ジガバチ♀がアメリカセンダングサに訪花吸蜜



2012年9月下旬

道端に咲いたアメリカセンダングサにジガバチの一種も訪花していました。
ヤマジガバチまたはサトジガバチでしょうか。
顔が黒いので♀のようです。
撮影後、同定用に採集を試みたもののネットイン失敗…。




コミスジがアメリカセンダングサに訪花吸蜜



2012年9月下旬

道端に咲いたアメリカセンダングサの花でコミスジNeptis sappho intermedia)も吸蜜していました。
秋の日差しを浴びて翅をゆっくり開閉しながら口吻を伸ばし蜜を吸っています。
途中で翅の裏面も見せてくれました。



2012/12/27

セスジハリバエがアメリカセンダングサに訪花



2012年9月下旬

大きくて派手な色のハエがアメリカセンダングサに次々と訪花し蜜や花粉を舐めていました。


調べてみると、どうやらダイミョウヒラタヤドリバエ(別名ダイミョウヒラタハナバエ;Phasia hemiptera)というカメムシに寄生するハエ(ヤドリバエ科)らしい。

もし違ってたらご指摘願います。
この個体は翅が透明なのが気になります…。


『一寸のハエにも五分の大和魂』画像掲示板にて問い合わせたところ、茨城@市毛さんより以下の回答を頂きました。

こちらは,ヤドリバエ科のセスジハリバエTachina nupta (=T. mikado)の可能性が高いです.
ダイミョウヒラタヤドリバエは下記のHPPhasia hemipteraを参考にしてください.

鱗翅目の幼虫に寄生するヤドリバエらしい。






キオビツチバチ♀がメハジキに訪花吸蜜



2012年9月下旬

キオビツチバチ♀(Scolia oculata)が道端の花で吸蜜していました。
白とピンクの見慣れない花です。
蜂の頭部が白い花粉で汚れています。
軽く飛んで隣の花に移動しながら熱心に食事を続けます。





全く知らない花だったので、なんとなく外来植物なのかな?と勝手に思いつつ植物の掲示板で問い合わせたところ、メハジキと教えてもらいました。

こんな形の葉っぱなのにまさかシソ科とは!



2012/12/26

イチモンジセセリがアメリカセンダングサに訪花吸蜜



2012年9月下旬

イチモンジセセリParnara guttata)が道端のアメリカセンダングサの花蜜を吸っていました。
いつも翅を立てて止まります。





ハラアカヤドリハキリバチがカワミドリに訪花吸蜜



2012年9月下旬

道端に咲いたカワミドリの群落で寄主のオオハキリバチに混じってハラアカヤドリハキリバチ(旧名ハラアカハキリバチヤドリ、Euaspis basalis)が一匹だけ吸蜜していました。
この蜂が♀だとしたら、労働寄生する標的(寄主♀)を餌場で待ち伏せして営巣地まで追跡するのでしょうか?
ところが数で勝るオオハキリバチに邪魔されて、花からすぐに逃げてしまいました。

『カラー自然シリーズ49:ハチのかんさつ:竹づつにあつまるハチたち』p31によると、寄主のオオハキリバチとは異なり、労働寄生蜂ハラアカヤドリハキリバチには♀でも花粉を集める毛(スコパ)が腹部下面に生えていないらしい。


寄生性ハナバチ類は、幼虫の餌を造巣性のハナバチに頼る。もともと花粉運搬毛を欠いているからである。(『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p47より)


ヤブガラシに訪花するヒメスズメバチ♀【ハイスピード動画&HD動画】



2012年9月下旬

ヤブガラシに訪花するヒメスズメバチVespa ducalis pulchra)のワーカー♀が飛び立つ様子を220fpsのハイスピード動画に撮ってみました。(複数個体)

同じ場所に通い、別の日にHD動画でも撮ってみました。
9月中旬


同じ巣から通って来ていると思われる姉妹の♀が忙しなく飛び回り、近くの花で吸蜜しています。






2012/12/25

オオハキリバチ♂がカワミドリに訪花吸蜜



2012年9月下旬

山道の脇に咲く紫色の花にオオハキリバチ♂(Megachile sculpturalis)が訪花していました。
複数個体の雄蜂♂を撮影。
初めて見る花でシソ科としか分からなかったのですが、植物の画像掲示板でカワミドリだろうと教えてもらいました。

これまでオオハキリバチの吸蜜を観察できた花はクズ、ラベンダーに続いてカワミドリが3つ目です。
よほど紫色の花が好きなのかな?


ヤガタハエトリ♂(蜘蛛)の徘徊・跳躍



2012年7月上旬

山中のスギの幹で徘徊・跳躍するヤガタハエトリPseudeuophrys erratica)またはイワテハエトリPseudeuophrys iwatensis)の♂です。

その場で方向転換しながらレンズを見上げる仕草が可愛いですね。
杉の樹脂に興味を示していました。
粘着性の強い樹脂に触れて捕らえられたら虫入り琥珀の化石みたいになるのでは?と半ば期待したものの、クモは何事もなかったように探索を続けます。

後半は住居網を見つけて侵入を試みました。
交尾相手♀を探していると思われますが、住居網の中には居なかったようです。

ハイスピード動画で撮ってみた同一個体の跳躍シーンはこちら







マガネアサヒハエトリ幼体(蜘蛛)



2012年9月中旬

参道のお地蔵さんで見つけたマガネアサヒハエトリPhintella arenicolor)の幼体です。

雨が降りそうで薄暗いですけど、大きな単眼が赤く光っています。
人懐こく手に乗ってくれました。
左の第3歩脚が根元から欠損していますけど、未だ幼体なので脱皮する度に少しずつ再生することでしょう。
          
一時捕獲して炭酸ガス麻酔下で接写してみました。

方眼紙に乗せて採寸すると、体長3.5mm。







クロアゲハ♀がタニウツギに訪花吸蜜



2012年6月中旬

カラスアゲハ♀(Papilio bianor)と思われるアゲハチョウ(春型)がタニウツギに訪花して蜜を吸っていました。
後翅の裏面に白い帯がないのでミヤマカラスアゲハではありません。
♂なら前翅表中央に性標があるはずです。




【追記】
YouTubeのコメント欄にて、横室稜さんよりクロアゲハ♀(Papilio protenor)だとご指摘を受けましたので、訂正します。


2012/12/24

虫カビに感染したフキバッタ♀死骸に交尾を試みる♂



2012年9月中旬

参道に立つお地蔵さんの衣装に交尾中のフキバッタの一種(種名不詳)が止まっていました。
ところが♂♀ペアの様子がおかしい。
♀は昆虫病原糸状菌(Entomophaga grylli ?)に冒されて死んだようで、干からびた腹部がちぎれています。
死んだ♀の背中に♂がマウントしていますが当然、交尾器は結合していません。
こちらは生きている証拠に、♂の触角に軽く触れたら反応しました。

病める時も健やかなる時も、死がふたりを分かつまで愛することを誓います。
美しい純愛の形と見るか、♂の悲しい性(さが)に涙するかは人それぞれでしょう。
例えばトノサマバッタの♂は♀に似た物なら何でも(黒っぽい角柱に対しても)誤認して飛びついてくるらしいので、このフキバッタ♂も♀の生死を問わず衝動的にマウントしてしまったのでしょう(死姦、屍姦?)。
このままマウントを続けたら間違いなく虫カビの胞子に接触感染してしまうはずです。
ミイラ取りがミイラになる様子を定点観察できたら面白そうと思ったのですが、翌日には♂の姿はありませんでした。

もし死ぬ前に次の♀と交尾できたら更に感染を広げることになります。
こうなると性病(性感染症)と同じですね。


【追記】
死骸を食べに来た可能性(共食い)もありそうです。