2025年3月中旬
早春でもまだ雪深い落葉二次林で、ホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動センサーカメラで見張っています。
ここは以前、ニホンアナグマが掘った営巣地(セット)でした。
発情期に入り、タヌキ家族の様子がいよいよ面白くなってきました。
シーン1:3/11・午前4:13・気温-4℃(@0:00〜)
未明に3頭のタヌキ家族が一列縦隊でやって来ました。
林床の雪面は硬く凍結していて、タヌキが歩いても足が全く潜りません。
巣口Rの近くに生えた落葉灌木に尿で匂い付けする際の姿勢(片足を上げるかどうか)で性別を見分けると、先行個体が♀で後続(2番目の)個体が♂というペアでした。
トレイルカメラが照射する赤外線をタペータム(輝板)がまったく反射しないのです。
この両目失明個体だけ、巣口Rには立ち寄らずに、ショートカットして左に向かいました。
シーン2:3/11・午前4:14・気温-4℃(@0:28〜)
別アングルに設置した監視カメラでも撮れていました。
先行する両親♀♂は巣口Rを経由し、横の落葉灌木に排尿マーキングしてから、左奥へ立ち去りました。
興味深いのは、殿 を務める両目失明個体の行動です。
巣口Rの手前で向きを変えて雪原を突っ切り、前日(約11時間前)の夕方に餌を隠した貯食地点に直行しまし。
生魚?に雪を被せて埋めた地点がこんもりと盛り上がっているのに、両目失明個体は少しずれた地点の匂いを嗅いでいます。
やはり、夜目が効かないハンディキャップが出ているのかもしれません。
視覚だけでなく、嗅覚も鈍っているのかな?
氷点下の低温のせいで、餌の匂いが薄れているのかもしれません。
貯食物を雪の下から掘り出して食べるのかと思いきや、そのまま両親♀♂の後を追いかけるように立ち去りました。
どうやら、隠した餌が盗まれていないことを確かめに来ただけのようです。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
【考察】
ホンドタヌキが貯食物をいつ食べるのか、興味津々です。
この両目失明個体だけ、夜間限定で個体識別できています。
両親♀♂に対して立場が弱くて常に怯えていて、出歩く際にはいつも最後尾を歩きます。
両親♀♂が産み育てた当歳仔の中で、この個体だけが両目失明というハンディキャップを理由に、縄張りから追い出されずにヘルパーとして留まることを許されている、と今のところは解釈しています。
そして、両目失明のヘルパー個体hの性別は♀だろうと、推測しています。
つづく→
0 件のコメント:
コメントを投稿