前回の記事:▶ 軒下の初期巣から飛び去るコガタスズメバチの創設女王
2024年5月下旬
民家の軒下に単独で営巣を始めたコガタスズメバチ(Vespa analis insularis)創設女王♀の活動を微速度撮影してみました。
トレイルカメラとかタイムラプス専用のカメラもあるのですけど、今回の初期巣はかなり高所に架けられているため、巣の近くに監視カメラを設置することが出来ません。
仕方がないので、軒下(初期巣の真下)に三脚を据えて、真上を向けて初期巣に望遠レンズでズームインし、10倍速で微速度撮影しました。
毎回カメラのバッテリーを使い切るまで長撮りします。
斜め下から初期巣を見上げるアングルを確保できれば、巣口が細長く下向きに形成される様子を記録できたのですが、残念ながら現場周辺の立地的な事情があって、どうしても真下からしか撮影できませんでした。
おまけに3日間しか撮影できていません。
色々と中途半端ですけど、創設女王の行動レパートリーを一通り記録することが出来ました。
動画の撮影開始時刻を元にして、時刻を秒単位で画面内に表示するように編集で工夫しました。
撮れた動画のほとんどの時間は何も起こらず退屈なので、編集でカットします。
シーン1:5/26・午前11:19〜午後12:45(@0:00〜1:56)
巣内で創設女王が何をしているのか、暗くてよく見えませんが、育房内を点検して回っているようです。
幼虫が卵から孵化しているのかどうか、映像からは分かりませんでした。
巣内に篭もった女王が巣盤の裏側(上側)に隠れてしまうことがあります。
巣盤の天井部で巣柄を抱くように体をカールさせ、育房内の卵を自分の体温で温めることで、孵化を早めるのだそうです。(抱卵行動)
別の場所で撮ったコガタスズメバチの抱卵行動を観察できたので、映像を公開する予定です。
ときどき女王は巣から飛び去り、おそらく花蜜を吸うなどして食事をしてくるのでしょう。
巣材として木の樹皮を噛みほぐしたパルプを集めてくることもあります。
巣材の団子を持ち帰った創設女王は、作りかけの外皮の縁に巣材を薄く伸ばしながら追加していきます。
コガタスズメバチの創設女王は1層の巣盤を作って育房内に産卵すると、巣盤を覆うように球状の外皮を上から作ります。
次に、外皮の下側にある出入り口(巣口)を細長く下向きに伸ばしていきます。
初期巣が逆さまの徳利みたいな形になるのが、コガタスズメバチの特徴です。
シーン2:5/27・午前11:04〜午後12:35(@1:57〜3:50)
前日よりも外皮底の開口部が小さくなっています。
その結果、女王の巣内活動を観察できなくなりました。
創設女王は、帰巣→外皮増設→出巣のルーチンを何度も繰り返しています。
煙突状の巣口を下向きに細長く伸ばしているようです。
シーン3:5/29・午前11:05〜午後12:18(@3:51〜4:03)
この日は帰巣→出巣を1回ずつしか録画できていませんでした。
どうやら造巣行動をやらなくなったようです。
この日で撮影を打ち切りました。
巣作りが一段落した後、創設女王は幼虫にせっせと給餌して育てるはずです。
やがてワーカー♀が無事に羽化すると、細長い煙突状の巣口を取り壊します。
その様子も微速度撮影で記録したかったのですが、どうしても定点カメラを長期間設置する場所を確保できず、諦めました。
つづく→?
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