ページ

2024/09/01

晩秋のアナグマ営巣地に1〜3頭で来るホンドタヌキの諸活動:11月上旬〜中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬〜中旬

シーン0:10/27(@0:00〜) 
明るい時間帯に撮れた現場の様子です。 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を新機種のトレイルカメラ2台で見張っています。 
秋も深まり、林床は落葉樹の落ち葉に覆われています。 

近所の休耕地に営巣するホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が1〜3頭で出没するシーンを以下にまとめてみました。 
タヌキの特筆すべき行動は個別の記事にしたので、残り物の取止めもない行動集です。 
この時期は空き巣ではなく、アナグマが冬ごもりを始めたようです。


シーン1:11/1(@0:03〜) 
夕暮れにタヌキのペアが連れ立って登場。 
アナグマの巣口Lに顔を突っ込んで、中に潜む虫を捕食しに来たようです。 
よく見ると、巣口Lから謎の小さな虫が外にわらわらと脱出しています。 
穴居性のカマドウマ幼虫ではないかと予想しているのですが、確かめられていません。 

新機種のトレイルカメラは気温データも取得できますし、センサーの誤検知も減り、画質も向上したのですが、ひとつ問題があります。 
薄明薄暮の時間帯に1分間の動画を連続して撮ると、1回毎にフルカラー録画とモノクロ録画が交互に切り替わる、という不思議な症状が出ます。 
赤外線の暗視モードに切り替わるかどうか、という微妙な明るさ(設定した閾値の前後)のときに発症するようで、対処のしようがありません。 
フルカラーで見ると、巣口L付近でタヌキが捕食する謎の虫の存在は全く分かりません。 (おそらく地味な保護色なのでしょう。)

獣道を通って右上奥へ立ち去る際に、1頭のタヌキが通りすがりにミズキの立木に排尿マーキングして行きました。(@2:33〜) 
片足(右後脚)を上げたので、♂と分かります。 


シーン2:11/3(@2:49〜) 
日没後の晩に、初めは単独でセットに来ていたタヌキが、途中から仲間が合流して3頭になりました。 


シーン3:11/4(@4:58〜) 
午後の明るい時間帯にタヌキが3頭でやって来ました。 
アナグマの巣口L、Rを点検して獲物となる虫を探しています。 
最後は獣道を走り去りました。 

この3頭は親子なのかな? 
最後に突然走り出したのが追いかけっこ遊びだとすれば、幼獣の兄弟姉妹ではないかと思うのですが、定かではありません。 
タヌキの個体識別ができていないのです。
尻尾にある黒い斑紋の形に注目するだけでも、ある程度は見分けられるかもしれません。 
巣穴の主であるアナグマが戻ってきて、それに気づいたタヌキが逃げた、という可能性も考えられますが、アナグマの登場シーンは監視カメラに写っていません。 


シーン4:11/6(@6:49〜) 
深夜未明および明るい午前中に単独行動のタヌキが写っていました。 


シーン5:11/8(@7:07〜) 
日没後に3頭のタヌキが連れ立って登場。 
林床の落ち葉を嗅ぎ回って、隠れている虫を探しています。 
いつものように、アナグマの巣口Lに立ち寄って、獲物となる虫を探しています。 
微小な虫を数匹食べたところで、とても腹の足しにはならないと思うのですけど、カロリーだけでなく貴重なタンパク質を摂取することも大切なのでしょう。 

巣口L近くの細いマルバゴマギ灌木をタヌキ♂が跨ぎながら、軽く排尿マーキングしたかもしれません。(@8:07〜) 

シーン6:11/9(@9:07〜) 
深夜未明にペアでタヌキが現れました。 
いつものように、アナグマの巣口L、Rを順に調べています。 

気温が2℃とかなり冷え込んでいますが、脂肪を蓄えて冬毛の毛皮を身にまとったタヌキは暖かそうです。 
最後に奥の二次林内へ立ち去る際に、タヌキ♂が排尿マーキングしたように見えましたが、林床に転がっている落枝を跨いだだけかもしれません。(@10:26〜) 

明るくなった朝にもタヌキのペアがまた登場しました。 
気温は1℃しかありません。 
夜明け前に巣穴の主であるニホンアナグマが巣穴Rに入ったばかりなのを、タヌキはアナグマの残り香を嗅いで察知したようです。 
タヌキは警戒して、巣口Rにはあまり近寄りません。 
アナグマが在宅だとタヌキは遠慮して、巣口に外から顔を突っ込んで虫を捕ることはなくなりました。 

夕方にもタヌキのペアが登場。 
獣道の横に立つミズキの根本に♂が排尿マーキングして行きました。(@12:15〜) 



シーン7:11/11(@12:26〜) 
真っ暗な晩にタヌキの単独行動が写っていました。 


シーン8:11/12(@13:49〜) 
夜明け前、気温が氷点下になりました。(-1℃) 
3頭が一緒にやって来たタヌキが、セットをうろついています。 
アナグマの巣口Rを未練がましく覗き込んでいます。 
こんなに寒くては虫を捕りにくいと思うのですが、越冬中の虫を探す特別なテクニックがあるのかな? 

朝の明るい時間帯にも単独のタヌキがセットを横切りました。 


シーン9:11/13(@15:53〜) 
冷たいみぞれが降る暗い晩に、タヌキが登場。 
二次林内で2頭が別行動で餌を探し歩いています。 


シーン10:11/14(@16:41〜) 
翌朝明るくなると、林床はしっかり濡れていたものの、初雪は積もっていませんでした。 
単独行動のタヌキがセットを横切りました。 
監視カメラの起動が遅れがちなのは、気温が低くて乾電池の電圧が低下しているせいでしょう。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


0 件のコメント:

コメントを投稿