2023年7月中旬・午後12:40頃・晴れ
スギ防風林の林床に残されたホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞場wbcを定点観察しています。
初めは大きな溜め糞1つだけだったのが、互いに2〜3m離れた3つの溜め糞(#1〜#3)に分散しました。
最大だった溜め糞#1には新鮮な糞が追加されてないようです。
#3は糞虫らの活躍によって分解が進み、消滅しかけています。
現役で使われている溜め糞#2に注目しました。
最近排泄された下痢便が乾きかけています。
溜め糞の中央部から白いカビ(ケカビ?)が生えてきました。
ちなみに、近くにあるアナグマの溜め糞場stmpからも白カビが盛大に生えてきました。 (※ 追記参照)
スギ林床にクモの不規則網がびっしり密に張り巡らされたのかと思ったぐらいです。
カビによって獣糞の分解が進むのは構わないのですが、カビ臭を嫌ってタヌキやアナグマが排便しに来なくなるのではないかと心配です。
この溜め糞場wbc-2をトレイルカメラ(旧機種)で監視してみたのですが、何も写らなかったのであっさり諦めて撤去しました。
クロアリ(種名不詳)や肉食性と思われる小型のハネカクシ(種名不詳)が多数、溜め糞wbc-2の上を徘徊しています。
その中で、真っ黒な丸っこい小さな甲虫が気になりました。
タヌキの真っ黒な糞塊から小さな欠片を切り取ると、後ろ向きに転がして(引きずって)運び始めました。
糞塊の中央にある小さな穴の中に頭を先にして潜り込みました。
おそらく、巣穴があるのでしょう。
しばらく待っても、巣穴の外にはもう出てこなくなりました。
運んできた糞粒は幼虫または自身の餌として巣内に貯食したというよりも、巣口を塞ぐために使われたようにも見えましたが、1回きりの観察では心元ありません。
巣口を塞ぐのならわざわざ遠くから巣材を運んでこなくても、近くから適当に掻き寄せれば済むはずです。
肉食性のハネカクシが近づいてきたので慌てて糞粒を巣口に捨てて隠れ家へ逃げ込んだのかもしれません。
初めて見る糞虫で興奮しました。
これもフンコロガシの一種と呼べるでしょうか?
日本国内には、いわゆるフンコロガシはほとんど生息していないことになっています。
『ファーブル昆虫記』でお馴染みのタマオシコガネのように逆立ちしながら後脚で糞玉を押して転がすのではなく、この糞虫は前脚を使って糞粒を後ろ向きに転がして(引きずって)運んでいました。
同定のために謎の糞虫を採集すべきでしたが、エンマコガネの一種ですかね?
まったくの当てずっぽうなので、もし間違っていたらご指摘ください。
来季からは、溜め糞を見て回る際には糞虫の採集道具を常に持ち歩くことにします。
エンマコガネ類は糞の下に巣穴を掘り、その中に糞を運び込み、幼虫一匹分の糞を小部屋に詰め、卵を産む。(wikipedia:糞虫より引用)
画質がやや粗いのはご了承ください。
たまに風が吹いて木漏れ日が落ちると、眩しいぐらいに明るくなります。
問題のフンコロガシが白っぽく見えて不自然かもしれませんが、実際はやや光沢のある黒色でした。
【アフィリエイト】
※【追記】
2023年7月下旬
ニホンアナグマがときどき通う溜め糞場stmpに生えた白カビの写真を撮りました。
スギ落葉層の下にびっしりと密生しています。
素人目にはケカビとは違う印象を受けました。
タヌキの溜め糞場wbcから約5mしか離れていません。
0 件のコメント:
コメントを投稿