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2024/03/31

古い巣穴に一時帰還して中の様子を調べるニホンアナグマのヘルパー♂【トレイルカメラ】

 



2023年7月中旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の家族が生まれ育った営巣地(セット)から他所へ転出した後も自動センサーカメラで監視を続けています。 


シーン1:7/7・午後16:20頃・くもり(@0:00〜) 
まだ明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 


シーン2:7/11・午前4:39 (@0:04〜) 
日の出時刻は午前4:22。
日が昇った直後の旧営巣地に右からアナグマ成獣が来て、左へノソノソと歩いてました。 
画角の外の巣穴Lを経由して左から手前に回り込むと、巣口Rを覗き込んでその匂いを頻りに嗅いでいます。 
そのまま巣穴Rrの中に潜り込んだのですが、入巣の際に後ろ姿の股間に睾丸が見えたので♂と判明しました。(@0:33〜) 
つまり、単独で戻ってきたのは母親♀ではなくヘルパー♂でした。


シーン3:7/11・午前4:40(@0:45〜)
トレイルカメラの起動が間に合わず(35秒後)、おそらくヘルパー♂が巣穴Rrから外に出て来るシーンを撮り損ねてしまったようです。 
右へ立ち去る前に二次林の中で立ち止まり、身震いしました。 

旧営巣地に久しぶりに戻ってきたヘルパー♂が、巣穴の内部の点検(内見)だけして帰ったようです。 
最近ホンドタヌキ(尻尾に黒班▼)が巣穴Rに(ときどき?)住み着いているようなのですが、アナグマのヘルパー♂は積極的に巣穴を奪い返すつもりはないようです。
「同じ穴のむじな)」の実態はなんとも微妙な関係で、時間をずらしてシェアしているのが面白いですね。


私の観察では今のところ、ヘルパー♂は縄張りを巡回したり採餌に出かける際はいつも単独行動しています。
母子の群れとはいつも別行動なので、離乳前後の子育てを果たしてヘルプしているのかどうか疑問です。
この点が本で読む話とは大きく異なります。(鈴木欣司『アナグマ・ファミリーの1年』など)
トレイルカメラが登場する前の時代にアナグマ家族を餌付けした古い観察記録なので、餌場で見られた行動の多くは餌付けの影響を強く受けた不自然な行動ではないのか?と私は密かに疑ってしまいます。
それとも私が見ている当地のニホンアナグマ個体群の暮らしぶりは一風変わっているのでしょうか?
長期で観察を続けてみないと何とも言えません。

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


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