2023年5月上旬
ニホンアナグマ♀(Meles anakuma) の巣穴に設置したトレイルカメラの記録です。
シーン1:5/5・午前2:26・気温8℃・(@0:00〜)
深夜に右手前の巣穴Rから♀(?)が外に出て来ました。
巣口Rで身震いすると、何かを見つけて手前(画面下)に向かって走って来ます。
しばらくすると、営巣地(セット)の広場に戻ってきました。
今度は右へ向かう獣道の途中で座り込むと、茂みの陰(カメラの死角)で毛繕いしたり、体を掻いたりしています。
後ろ向きで入巣Rしかけて、そのまま巣口Rで見張りを続けます。
シーン2:5/6・午前1:32・(@1:46〜)
翌日の深夜、夜這いに来た余所者の♂が右から右手前の巣口Rを覗き込んでいます。
巣内には押し入らず、左へ立ち去りました。
このとき♂の求愛声は聞き取れませんでした。
シーン3:5/6・午前1:33・(@2:28〜)
♂はそのまま広場に座って体の手入れをしています。(仰向け毛繕い)
5倍速の早回しでご覧ください。
シーン4:5/6・午前1:34・(@2:34〜)
♂が広場から巣穴Lを経由して左に立ち去るようです。
カメラの電池が消耗していて、細切れの映像になっています。
シーン5:5/6・午前1:35・(@2:44〜)
奥から手前に向かって♂が走って逃げて来ます。
その後ろから♀(右目<左目)が追いかけてきます。
巣穴Rを挟んで2頭が向かい合いました。
巣口Rで立ち止まった♀が身震いしてから、再び♂に突進して撃退しました。
このとき威嚇や求愛の鳴き声は聞き取れませんでした。
残念ながら、せっかく面白いところで尻切れトンボで録画終了。
深夜の採餌活動から戻って来た♀が、侵入者♂を見つけて追い払ったようです。
ということは、これまで広場でウロウロしていた個体はやはりヘルパー♂ではなくて、求愛目的の♂(余所者)だったことが分かりました。
シーン6:5/8・午後20:33・気温6℃・(@2:55〜)
2日後の晩。
広場に居た♀が右の暗闇に居た♂に突進して追い払いました。
激しい威嚇や喧嘩の鳴き声♪および灌木の細い枝がポキポキ折れる音が聞こえます。
シーン7:5/8・午後20:31・(@3:07〜)
別アングルの映像に切り替えてみましょう。
画面には何も写っていませんが、カメラの背後からアナグマ♀♂の激しい喧嘩の鳴き声が聞こえます。
残念ながら、トレイルカメラの電池切れで2秒間しか録音できていません。
シーン8:5/8・午後20:34・(@3:09〜)
次にカメラが起動したときには、巣口Rに戻った♀が左を向いて警戒していました。
シーン9:5/8・午後20:35・(@3:13〜)
別アングルの監視映像に切り替えました。
こちらのトレイルカメラは新機種で、電池に余裕があります。
右から戻ってきた♀が入巣Rしかけるも、巣口Rで振り返ってカメラ目線になりました。
右目が左目よりも小さいことが分かります。
巣口Rに後退して塹壕戦のように身を隠しながら、警戒を怠りません。
シーン10:5/9・午後20:23・(@3:38〜)
翌日の晩にも似たような行動が繰り返されました。
夜這いに来た♂が広場を回り込んで巣口Rに座り込みました。
シーン11:5/9・午後20:24・(@3:48〜)
手前の獣道へ来かけた♂が、振り返って巣口Rの様子を見ています。
求愛声は聞き取れません。
シーン12:5/9・午後20:25・気温12℃(@3:48〜)
別アングルの映像に切り替えました。
広場の右端で佇む夜這い♂が巣口Rの方をずっと見ているものの、♀が怖いのか近づけないようです。
しばらくして、ようやく♀が巣穴Rから出てくると、♂に突進して追い払いました。
今回は何も鳴き声は聞き取れませんでした。
慌てて逃げるアナグマが林床に転がっている空き缶を蹴飛ばす音がカラン♪と聞こえました。(@4:28〜)
後日、アナグマ営巣地付近の林床で見つけた缶コーヒーの空き缶2個の写真を載せておきます。
誰かが林内で飲んだ後にポイ捨てしたのか、それとも甘い香りに誘われてタヌキがゴミ捨て場から拾ってきたのか、不明です。
シーン13:5/9・午後22:11・(@4:30〜)
約2時間後、珍しく左奥の巣口Lからアナグマが外に出てきました。
♀かヘルパー♂か見分ける間もなく、尻切れトンボで録画終了。
シーン14:5/9・午後22:12・(@4:35〜)
ワンッ♪と吠える声がしました。
出巣Lしたのはおそらく♀で、セットにしつこく近づく夜這い♂を追い払ったようです。
シーン15:5/9・午後22:13・(@4:40〜)
巣口Rから出てきた♀が、奥に居座る♂と対峙しています。
♂の目が白く爛々と光って見えます。
シーン16:5/9・午後22:13・(@4:43〜)
次にトレイルカメラが起動したときには、♂が逃げた後でした。
♀は警戒を怠らず、巣口Rに残っています。
シーン17:5/9・午後22:14・(@4:46〜)
右の二次林から♂がセットに登場。
逃げた♂が懲りずにしつこく戻ってきたようです。
シーン18:5/9・午後22:15・(@4:48〜)
巣口Rから外に出てきた♀が奥に居座る♂と睨み合っています。
シーン19:5/9・午後22:17・(@4:51〜)
♂を追い払った♀が奥から戻って来て巣穴Rに戻りました。
シーン20:5/11・午後20:20・気温9℃・(@4:56〜)
2日後の晩。
ヘルパー♂(?)が広場で仰向けになって毛繕いしたり、辺りをうろついたりしています。
仰向けで開脚してくれるのですが、私には外性器がよく分かりません。
林冠から垂れ下がっている蔓をちょっとだけ掴んでぶら下がる体勢になりました。(@6:10〜)
蔓を引っ張って遊んでいるのでしょうか?
関連記事(同時期の撮影)▶ 蔓にぶら下がったり棒切れを噛んだりして独り遊びするニホンアナグマのヘルパー♂【トレイルカメラ:暗視映像】
突然、♀が巣穴Rから飛び出してきて♂を奥の森へ追い払いました。
凄い剣幕でワンワン吠え立てています。(威嚇の鳴き声)
それまであまりにも巣口Rでリラックスしてるので、てっきり私はヘルパー♂が暇を潰していると思ったのですが、夜這い♂だったのでしょうか?
育児で苛ついていた♀が、巣口Rでくつろぐヘルパー♂を夜這い♂と誤認した可能性もありますかね?
まだ♂を個体識別できてないのが私の課題です。
この時期はもう交尾行動が録画されなくなり、夜這いに来た♂を♀は営巣地から追い払うだけです。
どうやら今年の♀の発情期はもう終わったようです。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
※ 鳴き声が聞き取れるように、音声を正規化して音量を強制的に上げています。
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