前回の記事:▶ 高圧線に並んでいちゃつくハシブトガラスの♀♂カップル(野鳥)
2023年4月下旬・午後13:40頃・晴れ
ゴミ焼却場から上に伸びる角柱状の煙突の天辺(開口部)を鉄板で覆い、雨が入らないようにしています。(煙を拡散させるため?)
鉄板を斜めに設置してあるのは、水平だと冬に雪下ろしをする必要があるからです。
その角に1羽のハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)が止まっていました。
バサバサと翼を広げて身震いしたということは、煙浴しているのでしょうか?
カーカー♪澄んだ声で鳴くと、手前に飛び降りました。
私の方へ向かって滑空してきます。
交通標識板の天辺に止まり直してカーカー♪澄んだ声で鳴きました。
口内が黒いのは成鳥の印です。
嘴を標識に擦り付けたのは、パパラッチ(私)に対する苛立ちの表明と思われます。
近くの電線へ飛んで移動すると、煙突の天辺に飛来したパートナーと鳴き交わしました。
しばらくすると、私が人畜無害と分かってくれたようで、パートナーが待つ煙突の天辺に戻りました。
営巣地周辺の縄張りをよく見渡せるので、この煙突はハシブトガラス♀♂にとってお気に入りの止まり場(見張り場)となっています。
鉄板には白い糞が多数付着しています。
パートナーの横に並ぶと、1羽が前傾姿勢で鳴きました。
カーカー♪鳴く度に、尾羽が上下にピコピコ動きます。
喉袋が膨らんでいたのでパートナーに求愛給餌するかと期待したのですけど、鳴き止むと喉袋は萎んでいました。
やがて♀♂番 は嘴を軽く触れ合わせてキスしたり、互いにやさしく対他羽繕いしたりと、いちゃつき始めました。
相手をヒョイと飛び越えてからも、横歩きで相手ににじり寄りました。
しばらく観察していても交尾には至らず、1羽がどこかへ飛び去りました。
さて、カラスは煙浴することが知られています。
羽根を煙でいぶして寄生虫を駆除するのです。
梅雨時によく見られ、羽を乾かす効果もあるそうです。
柴田佳秀・中川学『うち、カラスいるんだけど来る? カラスの生態完全読本』p102によると、
・カラスは煙が出ている煙突を発見すると猛スピードでそこに飛んで行く。そして煙突の吹き出し口に止まると、気持ちよさそうに煙を浴びる
・煙の中でもボイラーに火を入れた直後の不完全燃焼時に出る真っ黒い煙をカラスが好むことや、冬にはまず行われないことなど…今回のハシブトガラス♀♂も縄張りを見張りながら煙突の天辺で煙浴しているのでしょうか?
撮影中にゴミ収集車が1台戻ってきましたが、焼却炉が稼働しているかどうか不明です。
煙突から黒煙も陽炎(熱気)も立ち昇っていないので、素人目には煙は出てないような気がします。
煤煙を浄化して排熱も充分に回収してから排気すれば、陽炎すら立ち昇らないのかもしれません。
もし煙が出ていれば、鉄板が熱くなってカラスも止まれないのではないでしょうか?
ここで煙浴行動を観察するなら、焼却炉の稼働スケジュール(時間帯)をゴミ焼却場に問い合わせてみる必要がありそうです。
本で読んだカラスの煙浴行動を観察したくても、街なかの銭湯が次々と廃業したので、大きな煙突を見る機会がなかなかありません。
それに代わって薪ストーブを設置した家が増えてきたので、その煙突に期待しています。
しかし薪を燃やす冬にカラスが煙浴してくれるかでしょうか?
火葬場の煙突でカラスが煙浴してくれたら、物語性があって絵になりそうです。
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