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2023/11/16

春の繁殖期に2頭のニホンアナグマが巣穴の近くで出会っても穏やかに過ごす理由とは?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年4月中旬・午前0:31 

ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の営巣地(セット)を自動センサーカメラで監視しています。 
真夜中に手前の巣穴Rから出た個体aが右の林縁に居ます。 
もう1頭bが奥を右にゆっくり歩いていきます。 
aが身震いしてから奥に行ってbと合流し、二次林の中に向かったようです。 
死角に入ったシーンは退屈なので、5倍速の早回し映像に加工しました。 

しばらくすると、右から戻ってきました。 
 手前の巣穴Rに近づいたところで、録画が尻切れトンボで打ち切られました。 (入巣Rシーンが撮れず。) 
もう1頭も奥から戻って来ました。 

これまで、巣穴の主である♀が夜這いに通う♂を激しく追い払うシーンを何度か見てきました。 
それに対して、今回の映像はのんびり平和なニアミスでした。 
撮影当時はその理由がさっぱり分からず首をひねっていたのですが、今になって見直すと解釈できるようになりました。 
今回登場した2頭は成獣の♀♂ペアではありません。 
普段から同じ巣穴に住んでいる母親とヘルパーの組み合わせだから、巣外で出会っても敵対しないのです。 

岩波生物学辞典 第4版』によると、
(子守行動とは)同一社会集団内で,母親以外の個体が幼児や子の保護・世話をすること.この行動をする個体をヘルパー(helper)という


ヘルパーが助ける相手は自分の両親か兄姉などの血縁個体であるのがふつうで,その場合には養育の成功が自分の()包括適応度の向上に結びついていることになる.また血縁関係がない場合でも条件の良い生活環境に住むことで生存率が高くなったり,なわばりを継承しやすくなるなどの利益を得ていると考えられる. 


アナグマ関連の本を読むと、ニホンアナグマのヘルパーは若い息子♂だとされているのですが、この動画でヘルパーの外見は♀タイプです。 
成体♂に性成熟するまで、若い♂の外見は♀と似ているのかな? 
それとも通説に反して、若い娘♀も母親のヘルパーになり得るのかもしれません。 
股間の外性器や乳首を見るまで、私には性別をしっかり見分けられません。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 

今はトレイルカメラの設置アングルを試行錯誤しているところです。 
後に母親♀とヘルパーの仲睦まじい様子を好アングルからしっかり撮れるようになったので、お楽しみに。(映像公開予定)


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